松尾 貴臣(まつお たかおみ)
松尾 貴臣は、日本の男性
音楽家、
シンガーソングライター。所属レーベルおよび事務所は、自身が設立した「こころざし音楽工房」である。
2012年6月に7枚目のCD「アイノコトバ」で主要レコード会社から作品を発表し、メジャーデビューを果たした。
人物と活動
長崎県で高校時代までを過ごし、長崎大学教育学部附属中学校、
長崎県立長崎北高等学校では野球部に所属し、ピッチャーとして活動した。高校時代のあだ名は、一度決めたことはひたすら突き進む性格から「戦車」と呼ばれていた。高校3年時には、開校以来初となる文化祭でのライブを企画・実行。約1000人の観衆を前に2曲(オリジナルソング「Let me go」と「ささやかな喜びの中で」)を披露して喝采を浴び、その興奮がプロの
音楽家を志す決定的な契機となった。
千葉大学への入学を機に関東へ移住。以降、
千葉県を中心にライブハウスでバンドおよびソロでの演奏活動を展開する。2003年頃からは定期的に地域活性化イベントを手がけるようになり、地元では「西千葉のアイドル」として親しまれている。
2006年、母校である
千葉大学のホールで開催したイベント「西千葉のアイドル祭り」のポスターが、偶然学内でドラマ撮影を行っていた
堤幸彦監督の目に留まり、テレビドラマ「
下北サンデーズ」に二度出演する機会を得た。ドラマ主演の
上戸彩が撮影現場ですれ違いざまに自身の楽曲「ゆりのき」を口ずさむ場面に遭遇し、それを誇りに感じているというエピソードを持つ。
愛用するアコースティック
ギターは、マーティンのD35と
グレッチのランチャーである。
2007年に発表した3枚目のCD「きみに読む物語」は、余命宣告を受けた女性の講演に触発されて生まれた楽曲が収録されている。この曲が、その後ライフワークとなる「ホスピタルライブ」活動の出発点となった。ホスピタルライブでは、全国の病院や高齢者施設、障がい者施設を訪れ、音楽を届けており、その公演回数は2500回を超え、2024年には3000回を達成した。
2008年には、自らの音楽活動の拠点として株式会社こころざし音楽工房を設立した。幕末の志士、
坂本龍馬になぞらえられるほど精力的に全国を巡り、既存の枠にとらわれない社会貢献的な音楽活動を展開する姿勢が高く評価され、
2009年10月には高知県知事より高知県観光特使に任命された。また、「ながさき龍馬フェスタ2010 龍馬の歌音楽祭」では楽曲「アカツキ」でグランプリを獲得し、「歌う
坂本龍馬」の異名をとるようになった。
2007年から
2010年にかけて全国47都道府県でのライブを実現した経験を踏まえ、「
2010年の日本」をテーマに制作されたアルバム『キボウノオト』(2011年1月発表)に収録された楽曲「絆」は、
東日本大震災後に広く共感を呼んだ。その反響を受け、翌
2012年6月には同曲を含むアルバム「アイノコトバ」でメジャーデビューを果たした。アルバム『キボウノオト』のジャケットイラストは、『アンパンマン』の作者であり、大学の先輩、そして高知県観光特使としても縁のある
やなせたかし氏が担当している。
終戦70年を迎えた
2015年には、「戦後70年目に放たれる、ピースソングの新定番」と位置づけられた9枚目のCD「へんぺいそく」を発表。故郷・長崎で
扁平足ゆえに兵役を免れた祖父の実体験に触発されたこの作品は、
歌手として、また父として新たな側面を見せるものとなった。
長年計画され、故郷・長崎のランドマークで開催を予定していた「松尾貴臣
2020年稲佐山凱旋ライブ」は、新型コロナウイルスの影響で翌年、そしてさらに翌2022年へと二度にわたり延期された。しかし、2022年9月3日に
長崎市稲佐山公園野外ステージで無事開催され、全国から集まったファンとの、12年半越しの再会が実現した。このライブでは、2030年にも同地での凱旋ライブ開催を発表している。
略歴
長崎大学教育学部附属小学校卒業
長崎大学教育学部附属中学校卒業
長崎県立長崎北高等学校卒業
千葉大学法経学部卒業
千葉大学大学院社会科学研究科修了
2005年:1st CD「そっと」リリース
2006年:2nd CD「ゆりのき」リリース。ドラマ「
下北サンデーズ」出演
2007年:3rd CD「きみに読む物語」リリース。
千葉県音楽文化方針検討委員委嘱。ホスピタルライブ開始
2008年:株式会社こころざし音楽工房、西千葉龍馬会設立。
千葉県「地球温暖化防止と生物多様性保全」推進きゃらばん隊イメージキャラクター就任。4th CD「ハッピーソングス」リリース
2009年:高知県観光特使委嘱
2010年:5th CD「喜びの歌」リリース。ながさき龍馬フェスタ2010龍馬の歌音楽祭グランプリ受賞
2011年:6th CD「キボウノオト」リリース
2012年:7th CD「アイノコトバ」でメジャーデビュー
2014年:ホスピタルライブ1000公演達成。8th CD「ちばりよー」リリース
2015年:9th CD「へんぺいそく」リリース。BSジャパン「徳光和夫の名曲にっぽん」で特集
2016年:10th CD「ベストアンサー」リリース。ホスピタルライブ2000公演達成
2017年:bayfm主催ライブ開催
2018年:11th CD「ユメノツヅキ」リリース
2020年:NHK千葉放送局FM「花ラジちば」MC就任。12th CD「タビノハジメ」リリース
2022年:「松尾貴臣2022年稲佐山凱旋ライブ」開催。13th CD「ワライバナシ」リリース
2023年:
千葉県8029健幸大使就任
2024年:ホスピタルライブ3000公演達成
2025年:14th CD「ココロザシノウタ」リリース予定
ディスコグラフィー
シングル
1st CD「そっと」(
2005年)
2nd CD「ゆりのき」(
2006年)
3rd CD「きみに読む物語」(
2007年)
5th CD「喜びの歌」(
2010年)
8th CD「ちばりよー」(
2014年)
9th CD「へんぺいそく」(
2015年)
アルバム
4th CD「ハッピーソングス」(
2008年)
6th CD「キボウノオト」(2011年)
7th CD「アイノコトバ」(
2012年)
10th CD「ベストアンサー」(
2016年)
11th CD「ユメノツヅキ」(
2018年)
12th CD「タビノハジメ」(
2020年)
13th CD「ワライバナシ」(2022年)
14th CD「ココロザシノウタ」(2025年予定)
主な出演
テレビ番組
音市(日本テレビ、2003年)
下北サンデーズ(
テレビ朝日、
2006年)
首都圏ネットワーク(NHK、
2014年)
徳光和夫の名曲にっぽん 昭和歌謡人(BSジャパン、
2015年)
ジモトに乾杯!居酒屋小堺クン(J:COMチャンネル、2022年)
外部リンク
松尾貴臣 オフィシャルサイト
株式会社こころざし音楽工房