松島 (岡山県)

松島の紹介

岡山県倉敷市下津井にある松島（まつしま）は、面積がわずか0.08km²と、県内の有人島の中でも最も小さい島です。海岸から約600mのところに位置する松島は、周囲約1.2kmの面積に松の木が多く生い茂っており、その名の由来となっています。この島は平坦な場所が少なく、住民は主に海岸沿いに集落を形成しています。

特に松島の周辺は、岡山県においても名高い漁場とされており、漁業が中心産業です。歴史を遡ると、中世の時代には松島庄太夫という武士がこの地を開発し、島の中にはその宅跡の遺構が残っています。また、水軍の要塞の一つとしても知られ、多くの歴史的背景を有しています。松島には、藤原純友にちなんだ純友神社が位置しており、地域の人々にとって重要な存在となっています。

『吉備温故秘録』には、田畑が1反2畝、家数が2軒、そして男女の人数が9人と記されています。近代に入ると、移住者が増えて大正時代には20戸以上の家庭が暮らすようになりました。1902年には筆海小学校の分教場が設置され、さらに1948年には児島市立下津井中学校の分校も設置されるなど、教育も発展しました。

1971年には、松島の人口は52人に達しましたが、その後、特に1979年に小学校が休校となり、1989年には中学校も休校となりました。近年においては、松島の人口は急減し、1998年には島民が一桁にまで減少しました。2010年には人口が3名に、その後も1人が島を去り、2018年4月の時点での人口は1家族2名です。現在、松島には移住してきた男性が一人だけ住んでいる状況です。

生活インフラについては、水道や電気、電話は整備されているため、ある程度の生活環境が保たれています。ただし、定期的な交通手段はなく、島へアクセスするためにはチャーター便を利用する必要があります。これには、児島味野港や下津井港からの移動が含まれます。

松島は、その限られた面積に多くの歴史と文化が寄り添い、自然と漁業が織りなす独自の生活様式を維持しています。島の魅力は、何世代にもわたるその先人たちの知恵と努力の結晶なのです。

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