松崎壽三

松崎壽三

松崎壽三（まつざき としぞう、1870年4月10日 - 1960年11月25日）は、明治時代後期から昭和時代前期にかけて活躍した日本の官僚、そして実業家です。彼は初代日本水産社長として知られています。

経歴

松崎壽三は、1870年（明治3年）に山口県で生まれました。彼は松崎源左衛門の長男として生を受け、旧制山口高等学校を卒業後、1895年（明治28年）に帝国大学法科大学（現在の東京大学法学部）政治学科を卒業しました。同年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、農商務省に入省、農務局に配属されました。

その後、松崎は水産講習所技師兼農商務省参事官、農商務書記官兼特許局審判官兼樺太庁事務官、農商務書記官・水産局漁政課長、水産局長など、数々の要職を歴任しました。彼は日本の水産行政を担う中心人物として活躍し、1917年（大正6年）に官僚を退官しました。

1919年（大正8年）9月27日、松崎は共同漁業株式会社（現在の日本水産）の社長に就任しました。1926年（大正15年）3月には、共同漁業取締役社長と日本水産監査役を兼務し、1934年（昭和9年）には同社の相談役となりました。彼は日本水産の経営に深く関わり、その発展に貢献しました。1960年（昭和35年）11月25日、松崎壽三は生涯を閉じました。

当時の事業

松崎が活躍した当時、水産業界は大きな変革期を迎えていました。共同漁業は資本金百万円を元に、本社を大阪に置き、全国各地に10ヶ所の販売所、20ヶ所の出張所を設置し、水産物の販売に従事していました。また、共同水産は資本金百万円で東京に本社を構え、戸畑魚市場は資本金30万円で戸畑に本社を置いていました。さらに、三共水産は資本金50万円で東京に本社を置き、冷凍魚介を欧米各国に輸出していました。

1919年5月には、日本水産の前身である田村汽船漁業部が株式会社となり、日本トロールに改称していました。これらの企業は、日本の水産業の近代化を牽引し、国内外への販路拡大に貢献しました。

松崎壽三は、激動の時代において、官僚として、そして実業家として、日本の水産業の発展に尽力しました。彼の功績は、今日の日本水産の礎となっています。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
校友調査会編『帝国大学出身名鑑』校友調査会、1932年。
* 秦郁彦編『日本官僚制総合事典1868-2000 第2版』東京大学出版会、2007年。

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