松川博爾

松川 博爾（まつかわ ひろじ）

松川博爾（1926年8月30日 - 2007年1月5日）は、日本のプロ野球界で活躍した投手で、大阪府の出身です。彼のプロとしてのキャリアは短かったものの、記憶に残るエピソードと成果を残しました。

キャリアのスタート

松川は、地元の扇町商業高等学校から社会人野球チームの全福島日東紡に進みました。1944年には戦時中の特例として近畿日本軍に入団し、そこでプレーしました。その後、1948年に一度プロ野球から離れる時期がありましたが、1950年に新たに設立された広島カープで選手として復帰を果たします。この年の彼は、34試合に登板し、5勝11敗という成績を残しました。

ただし、松川は同年限りで現役を退きました。この短い選手生活の中で、彼は多くの記憶に残る瞬間を作り上げました。

ジャングルホームラン

彼のプロ野球生活において最も象徴的な場面の一つが、1950年5月21日に行われた大洋戦での「ジャングルホームラン」です。この試合は尾道西高校（現・尾道商業高校）の校庭で行われたため、非常にユニークな状況が生まれました。

試合中、一死一、二塁の場面で松川が放った打球は校庭の端にあった草むらへと転がり込みました。大洋の外野手たちがボールを捜している間に、走者だけでなく、打者の松川自身もホームに戻ることができました。このホームランは、松川にとってプロキャリアで唯一のホームランとなり、「ジャングルホームラン」として語り継がれることになりました。

引退とその後

松川は1950年に現役を引退した後、プロ野球界から姿を消しましたが、野球への情熱は持ち続けたことでしょう。2007年1月5日、心不全が原因で他界し、享年80歳でした。彼の足跡は、今もなお多くのファンの心に残っており、大阪府出身の一人としてプロ野球に貢献したことを忘れられない存在となっています。

詳細情報

投手成績は年度別に分かれており、1947年には南海ホークスに所属し、球団名が変更される前にプレーしていました。背番号は、1946年から1948年までは13、1950年には19を背負っていました。

なお、1944年のシーズンには全6チームが背番号を廃止していたため、この時期の情報は留意すべきポイントです。松川博爾が残した数多くのエピソードは、プロ野球の歴史においても貴重なものであり、彼の名前はいつまでも語り継がれることでしょう。

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