松本恵治

松本恵治氏（まつもと けいじ、1959年2月6日生まれ）は、大阪府八尾市出身の日本の会社役員です。かつてはラジオ大阪の顔として、長年にわたりアナウンサーとして活躍しました。

関西学院大学を卒業後、地元大阪の放送局であるラジオ大阪に入社。アナウンサーを志したきっかけは、プロ野球選手の掛布雅之氏のサインが欲しかったから、というユニークなものであったと後に語っています。

アナウンサーとしての歩み

入社後は主にスポーツ実況アナウンサーとして、マイクを通して数々の名場面を伝えてきました。特にプロ野球中継「近鉄バファローズナイター」では、多くの試合で実況を担当し、熱心な野球ファンにとってはなじみ深い存在でした。グラウンドの興奮をリスナーに分かりやすく、そして情熱的に伝えることに定評がありました。

プロ野球のシーズンオフには、持ち前の軽妙な語り口を生かしてワイド番組のパーソナリティとしても活躍。スポーツの枠を超え、幅広い層のリスナーから支持を得ました。情報、音楽、トークと、ジャンルを問わない柔軟な対応力を見せました。

キャリアにおける重要な実況の一つが、2004年9月24日に行われた大阪近鉄バファローズのホーム最終戦、対西武ライオンズ戦です。球団の消滅が決定している中でのこの歴史的な一戦を、「近鉄バファローズナイター」として最後の実況席から伝えました。この日の実況は、多くのファンの心に深く刻まれています。

2007年にラジオ大阪がプロ野球中継から撤退した後も、松本氏は放送の第一線に立ち続けました。それまでオフシーズンに担当していた経験を生かし、主にワイド番組のパーソナリティとして活動の中心を移し、変わらずリスナーに声を届け続けました。

プロ野球以外では、大阪国際女子マラソンの実況中継を担当するなど、他のスポーツイベントでもその実況スキルを発揮しました（現在、同中継での担当はありません）。また、通常のスポーツ実況とは一風変わった経験として、2004年12月にはアニラジの特別番組内で、なんと「野球盤」の実況を務めたこともあり、その多才さを見せつけました。

健康上の試練

2010年には、健康上の大きな試練に直面しました。まず同年9月に交通事故に遭い、担当番組を一時的に休演しました。さらにその翌月、10月には高血圧性脳内出血を発症。再び療養のため、同年11月4日まで番組出演を見合わせることとなりました。松本氏自身、この時の病状について、一つ間違えれば生死の境をさまようほどであったと振り返っており、その重篤さがうかがえます。

役員への転身

アナウンサーとして長年活躍した後、松本氏はキャリアの新たな段階へ進みます。ラジオ大阪社内において、マネジメント本部経営管理部長などの役職を歴任し、放送の現場を離れて経営や管理部門での手腕を発揮しました。そして2022年、ラジオ大阪の子会社である株式会社オービーシープロジェクトの代表取締役社長に就任。現在は経営者として、会社の舵取りを担っています。

松本恵治氏は、プロ野球選手のサインが欲しいという純粋な動機から放送業界に入り、熱気あふれるスポーツ実況や親しみやすいワイド番組パーソナリティとしてリスナーに愛されました。二度の健康問題という困難を乗り越え、現在は関連会社の経営トップとして活躍するなど、その人生とキャリアは多様な経験に彩られています。放送人として、そして経営者として、大阪の放送界に貢献し続けている人物です。

過去の主な担当番組

近鉄バファローズナイター
大阪国際女子マラソン実況中継
Vステ冬の陣04 熱闘!野球盤54時間耐久試合（2004年12月放送）
オリックス・バファローズ ナイトスタジアム
バンザイ歌謡曲それッ!
OBCヤングラジオ
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ラジオ大阪ドラマティックナイター
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ほんまもん!松本恵治です（原田年晴氏の代役）

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