松村武雄

松村 武雄（まつむら たけお）

松村武雄は1883年8月23日、熊本県に生まれた日本の著名な神話学者です。彼の学問は日本の神話だけでなく、ギリシア神話や中国神話にも及び、多方面にわたって影響を与えました。

学歴と経歴

彼は熊本中学校や第五高等学校を経て、東京帝国大学の文科大学英文科に進学しました。在学中から神話研究に対する関心を深め、卒業論文も神話をテーマに選定しました。1910年に大学を卒業後は大学院に進み、1919年には東京帝国大学の文学部講師としてギリシア神話の授業を担当しました。

1921年には学位論文『古代希臘の文化に現れたる神々の宗教的葛藤の研究』を提出し、文学博士の学位を取得しました。その後、浦和高等学校で英語を教え、同じ年に國學院大學からの招待を受けて神話学を講義しました。

学問に対する情熱は留学によっても示され、1922年からはヨーロッパに留学し、各国で神話を研究。さまざまな文化や神話に触れることで視野を広げました。

受賞歴

彼の研究は多くの評価を受け、1947年には著作『神話学原論』に対し恩賜賞を受賞。さらに1958年には『日本神話の研究』によって朝日賞を受賞し、そのありがたさが彼の功績を示しています。

主な著作

武雄は多数の著書を残しており、特に代表作として『日本神話の研究』全4巻があります。この作品は1955年から1958年にかけて培風館から出版され、その後も再版や復刻が行われ、多くの読者に愛されています。

また、他にも『神話学論考』『民族性と神話』『宗教及び神話と環境』といった著作もあり、これらの作品を通じて神話に関する深い考察を行いました。

晩年

戦後も精力的に著作を発表し続けた武雄でしたが、1950年代末からは病を抱えるようになり、10年間もの間執筆活動ができない状況が続きました。それでも彼の研究は、現在でも神話学の分野において重要な位置を占めており、彼の影響は後世の研究者に引き継がれています。

参考文献

武雄の業績はさまざまな文献や書籍によっても紹介されており、彼の学問的な試みや考え方に触れることができます。特に「大林太良による松村神話学の展開」や「中国神話伝説集」など、彼の研究がどのように評価されているのかを示した文献も存在します。

松村武雄は、その業績を通じて日本の神話学の基盤を築き、今なお研究者たちに多大な影響を与え続けています。

もう一度検索