松浦一

松浦一（まつうら はじめ）

松浦一は、1881年1月25日に東京で生まれ、1966年8月13日に没した日本の英文学者です。中央大学の名誉教授として、英文学の研究と教育に尽力しました。

人物

松浦は、1905年に東京帝国大学英文科を卒業しました。在学中は、小泉八雲や夏目漱石といった著名な文学者から薫陶を受けました。大学卒業後は、母校である東京帝国大学で講師を務め、後には高千穂経済専門学校（現在の高千穂大学）で教鞭をとりました。1951年には中央大学文学部の教授に就任し、1964年に定年退職するまで後進の育成に力を注ぎました。退職後は、大正大学や駒澤大学でも教鞭をとりました。

東京大学文学部の講師時代には、仏教信仰を基礎とした独自の文学論を展開し、多くの学生を魅了しました。彼の講義は、芥川龍之介をはじめとする多くの文学者に影響を与えたことで知られています。

松浦一は、松浦孝作（旧姓：小面）を養子に迎えました。孝作は教育社会学者として東京学芸大学の名誉教授を務めました。また、孝作の長女である山崖俊子は教育学者であり、津田塾大学の名誉教授を務めています。

著書

松浦一は、数多くの著作を発表しました。以下に代表的な著書を挙げます。

トルストイの芸術観 (弘道館, 1911)
文学の本質 (大日本図書, 1915)
生命の文学 (東京宝文館, 1918)
文学の神性 (日本青年館, 1922)
文学の絶対境 (大日本図書, 1923)
文学の白光 (大日本図書, 1924)
魂の故郷 (イデア書院, 1925)
文芸の彼岸 (大東出版社, 1927)
生き行く力としての文学 (大東出版社, 1932)
人間の詩 (信道会館, 1933)
生きる力 (伝通院伝通会館, 1936)
白紙の文学 (三省堂, 1941)
文学のいのち (アサギ書房, 1949)
生命の直路 (学芸書房, 1955)
素月抄 歌集 (新樹社, 1962)
文芸の意味・文学の絶対境 ホイットマン文学の自然教 (北星堂書店, 1962)

松浦一は、英文学者として、また教育者として、日本の文学界に大きな足跡を残しました。彼の著作や思想は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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