松田忠大

松田忠大（まつだ ただひろ）氏は、1971年9月生まれの日本の法学者です。商法、中でも海商法を専門分野としており、現在は鹿児島大学法文学部の教授を務め、同学部長の要職にもあります。

鹿児島県姶良郡姶良町（現・姶良市）に生まれ、地元の重富中学校を卒業後、1990年には鹿児島県立甲南高等学校を卒業しました。大学は早稲田大学に進学し、1994年3月に法学部を卒業。大学在学中、先輩からの誘いをきっかけに中村眞澄氏の海商法ゼミに参加したことが、海洋や船舶に関連する法分野への関心を深める決定的な契機となりました。

大学卒業後、同大学院法学研究科へと進み、さらに学問を深めます。大学院では、箱井崇史氏から研究者としての道を強く勧められたこともあり、研究の継続を決意。1996年9月に修士課程を修了した後、1997年4月からは宇部工業高等専門学校の講師として教育の現場に立ちつつ、並行して自身の研究活動にも励みました。2000年4月には鹿児島工業高等専門学校に転じ講師となり、2002年4月からは同校の助教授を務めました。

教育・研究の場を移し、2011年4月には鹿児島大学法文学部の准教授に就任。鹿児島に移ってからも、海商法分野の研究を精力的に続け、2012年5月には早稲田大学より法学博士号を授与されました。この際の博士論文のテーマは「船舶衝突責任法の課題と展開」であり、海事法における重要な課題に深く切り込んだ研究として評価されています。その後、2013年4月には鹿児島大学法文学部の教授に昇任し、研究室を率いる立場となりました。

専門である海商法分野における様々な問題の研究に継続して取り組んでおり、その成果は学会等で発表されています。所属学会としては、日本私法学会、国際私法学会、そして専門分野に直結する日本海法学会といった主要な法学系学会に名を連ねています。長年にわたり、海洋や船舶にまつわる法制度の解明と発展に寄与しています。

2020年度現在は、鹿児島大学法文学部の学部長としても大学運営に携わっており、教育・研究の両面で重要な役割を果たしています。

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