松田紀子 (バレーボール)

松田 紀子（まつだ のりこ）

松田紀子は1952年に北海道釧路市に生まれた、日本のバレーボール界を代表する元選手です。彼女は特に1976年のモントリオールオリンピックでの金メダル獲得において、チームの中心選手として大きな役割を果たしました。その卓越したセッティング技術から「背中に目がある」や「ネット際の魔術師」と称賛されています。

来歴

高校時代は釧路商業高校でバレーボールに親しんでいましたが、卒業後は日立武蔵に入社しました。入社当初は実力不足から注目を浴びることが少なく、レギュラー選手に交じってボール拾いをしながらひたすら練習を見つめる日々が続きました。この時期の苦労が後の彼女の成長を支えたと言えます。

そんな中、松田は監督の山田重雄に対して「ボール拾いをするために日立に来たのではない」と不満を述べ、そのことが彼女の運命を変えました。セッターへの転向を命じられた後、彼女は見事にその役割を果たし、全日本に選出されることになります。この転身は松田にとって大きな転機となりました。

1976年のモントリオールオリンピックでは、不可欠な存在としてチームを支え、金メダル獲得に貢献しました。オリンピック後は1978年に現役を引退し、母国釧路に戻りましたが、1983年に行われたダイエーのバレー部創設を機に選手としての道に復帰しました。そこで3年間の努力の後に、1部リーグ昇格を達成しました。1985年に再度の引退を迎えました。

人物・エピソード

松田の成長を陰で支えたのは、同期のセッターである永木芳子です。永木は松田のセッティング技術を徹底的に教え、彼女の苦悩を共に寄り添ってきました。モントリオールオリンピックでの金メダル獲得後、松田は永木に感謝の意を表し、金メダルを半分に切ってその一部を永木に贈るというエピソードが残っています。

1980年代にはテレビ朝日のバレーボール関連の特番に出演し、往年のプレーを披露して多くのファンに懐かしさを提供しました。

球歴・受賞歴

松田のバレーボール歴は以下の通りです。

• - 高校: 釧路商業高校
• - クラブチーム: 日立武蔵/日立（1971-1978年）
• - 復帰先: ダイエー（1983-1985年）

著書

選手活動を通じて、松田はバレーボールへの熱い思いを綴った著書も残しています。代表作に「やっぱりバレー大好き」があり、1985年に発刊されました。

外部リンク

• - バレーボール・モントリオール会
• - 日本テレビ - ヒーローが見た夢
• - 一般社団法人 日本トップリーグ連携機構（JTL） - バレーボール・松田紀子

松田紀子はその技術だけでなく、彼女の人柄やエピソードでも多くの人々に愛されている選手です。

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