松竹富士

松竹富士株式会社について

松竹富士（しょうちくふじ）は、かつて日本に存在した映画配給会社であり、松竹の子会社として1973年に設立されました。主に洋画の配給を手掛け、多くの作品をメディアに提供しました。資本金は1000万円とされ、映画業界における重要な役割を果たしました。

概要と沿革

松竹は1959年に外国部を独立させ、セレクト・インターナショナル映画社との合弁で松竹セレクト国際映画を設立しました。その後、1962年に合弁を解消し、松竹国際映画に社名を変更。さらに、後には映配株式会社と合併し、松竹映配が誕生しました。この会社の設立に際し、松竹が全株を持つ洋画ポルノの輸入・配給を請け負うグローバルフィルムも別会社として設立されました。

しかし、1973年には経営難により、松竹映配の解散が決定し、受け皿として富士映画が新たに設立されました。この背景には、松竹が外国映画の輸入・配給から手を引けば競合他社である東宝・東和連合軍の傘下に入ってしまう懸念がありました。そのため、松竹は洋画の配給を続ける必要がありました。新会社の従業員は45人で、業務は従来通り引き継がれましたが、松竹映配の法人自体は残されました。

社名変更と活動内容

1983年には社名を松竹富士株式会社に変更。設立当初から行っていた外国映画の配給を通じて、多くの重要な作品を扱いました。特に、1980年代から90年代にかけては、数々の知名度の高い映画を日本に紹介しました。

主な配給作品には、1983年の「戦場のメリークリスマス」、1984年の「クジョー」、1987年の「ラストエンペラー」などがあり、特に「劇場版それいけ!アンパンマン」シリーズは松竹との共同製作・配給で展開されました。また、「ライフ・イズ・ビューティフル」や「シン・レッド・ライン」などの名作も配給され、松竹富士は洋画配給において重要な地位を占めていました。

解散とその後の展開

しかし、1999年8月31日、松竹の合理化に伴い解散が決定し、その後は洋画配給業務は松竹本社に移管されました。このように、松竹富士は短い間ではありましたが、日本の映画配給業界において重要な役割を果たした会社でした。松竹上映とともに、数々の映画を世に送り出し、観客に深い感動と思い出を提供しました。

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