松阪猛

松阪猛のプロフィールと経歴

松阪猛（まつさか たけし、1939年12月20日 - 2014年10月22日）は、日本の柔道界に名を残す柔道家で、講道館の9段を取得した実力派選手です。彼は中量級及び重量級で活躍し、主に1960年代から1970年代の日本柔道界に影響を与えた存在として知られています。彼の生涯は、競技者としての苦難と成功、また指導者としての情熱に満ちていました。

出身と柔道の始まり

大阪府岸和田市に生を受けた松阪は、昭和31年に講道館に入門しました。近畿大学に在学中の1962年、全日本学生選手権で3位に入賞し、その後の講道館80周年記念全日本体重別選手権で中量級の部で優勝を果たし、東京オリンピックの代表候補に名を連ねることになります。彼は早くからその才能を発揮し、多くの実業団チームへの出稽古を通じて柔道の技術を磨いていきました。

競技生活と勝利

1963年には大阪府警察に入隊し、選手生活と平行して柔道部に所属。1964年の東京オリンピックの年には、いくつかの大会で積極的に参加しましたが、最終的にはオリンピック出場権を逃します。それでも、同年11月の全国警察選手権では準優勝を獲得し、その翌年には全日本選手権の決勝に進出するまでに成長を遂げます。彼は1968年、全日本選手権で岡野功選手を破り、念願の優勝を果たすという大きな成功を収めます。これは非常に意義深い出来事であり、松阪にとっての金字塔とも言える瞬間でした。

指導者としての活躍

長い選手生活を経て現役を引退した後も、松阪は柔道界に貢献し続けました。全日本柔道連盟の強化委員として国際大会で監督を務めたり、大阪府警の柔道部で後進の指導を行ったりしました。1982年には病気に見舞われながらも、それを乗り越えて1984年にはハンガリー国際大会に復帰を果たしました。彼の忍耐力と決意には、多くの人々が感銘を受けたことでしょう。

晩年と功績

1990年代に入ると、松阪は柔道教育に専念し、母校の近畿大学で柔道師範として学生たちを指導しました。また、彼の功績は講道館にて認められ、2012年に9段に昇段。日本の柔道界への多大な貢献を称える形となりました。しかし、2010年には癌の診断を受け、その後も治療を続けました。2014年には、岸和田市の自宅で家族に囲まれながら静かに息を引き取りました。74年の生涯を通じて、多くの選手や後進に影響を与えた松阪の存在は、今日もなお日本柔道界で語り継がれています。

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