板垣修

板垣修：日本の外交史に名を刻む人物

板垣修（いたがきおさむ、1907年2月26日-1987年11月19日）は、20世紀日本の外交を代表する人物の一人です。宮城県仙台市に生まれ、1931年には高等試験外交科、行政科試験に合格。翌年には東京帝国大学法学部政治学科を卒業し、外務省に入省しました。

外務省入省後は、イギリスや中国など、複数の国々で勤務経験を積みます。南京の中華民国大使館に勤務していた際には終戦を迎え、戦後の混乱期における日本の外交に携わった経験は、後のキャリアに大きな影響を与えたと考えられます。

戦後、板垣氏は外務省において様々な要職を歴任しました。外務省管理局経済部総務課長、総務局資料課長、同局総務課長、中国連絡調整事務局長、貿易局長、経済審議庁審議官など、外務省の中枢を担うポストを歴任した経験は、彼の外交官としての能力の高さを示しています。これらの経験を通して、日本の経済外交や対中外交に大きく貢献したと推察されます。

外務省での勤務後も、その活躍は続きます。香港総領事、通産省通商局長、外務審議官、アジア局長を歴任し、1959年にはノルウェー大使に就任。その後も、フィリピン、インド、カナダ、そして中華民国（台湾）の大使を歴任するなど、幅広い外交経験を積みました。

特に注目すべきは、1972年3月の退官後です。同年12月、国交が断絶していた台湾との交流の窓口である交流協会の理事長に就任しました。これは、日台関係において極めて重要な役割を果たしたことを示しています。1976年5月の退任まで、日台間の非公式な交流を維持するために尽力したと考えられます。

長年にわたる外交官としての功績が認められ、1977年には勲一等瑞宝章を受章しました。この栄典は、彼の外交活動における貢献の大きさを物語っています。

板垣修の生涯は、激動の時代における日本の外交の変遷を体現するものでした。多様な国々での勤務経験、外務省での要職歴任、そして国交断絶後の台湾との交流への貢献など、彼の外交官としてのキャリアは、日本の外交史において重要な位置を占めています。彼の功績は、日本の外交史研究において、今後も重要な資料となるでしょう。

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