板垣退助先生顕彰会

一般社団法人 板垣退助先生顕彰会：明治維新の精神と現代への継承

一般社団法人板垣退助先生顕彰会は、1968年（昭和43年）、自由民主党総裁であった佐藤栄作の強い意志の下、板垣退助の功績を顕彰する目的で設立されました。当初は東京都に本部を置いていましたが、現在は大阪府に本部を移し、理事長髙岡功太郎のもと、非営利活動として精力的に活動しています。

設立の背景と目的

戦後、自由党と日本民主党が合併して自由民主党が誕生しましたが、佐藤栄作は自民党を板垣退助が創設した自由党の正当な後継者と捉えていました。しかし、時代の流れとともに板垣退助との繋がりは薄れつつあり、その危機感を佐藤栄作は強く抱いていました。

高知県選出の参議院議員・寺尾豊は、高知県に本部を置く板垣退助を顕彰する団体である板垣会の会長を兼務し、毎年板垣退助の命日に法要を行っていました。彼は板垣退助の五十年忌を東京で盛大に行いたいと考えており、その思いは佐藤栄作と一致しました。

1968年は明治百年であり、全国で明治維新を振り返る様々な催しが開催されていました。この機を捉え、佐藤栄作と寺尾豊は板垣退助の五十年忌を記念事業として推進し、東京を拠点とする板垣退助先生顕彰会を設立しました。

設立当初は、名誉総裁に佐藤栄作、副名誉総裁に福田赳夫、名誉会長に高知県知事といった錚々たるメンバーが名を連ねていました。また、寺尾豊は板垣会の会長を兼務し、板垣退助の親族、自民党議員、旧土佐藩関係者、学術研究者など幅広い人々が参加していました。

初期の活動と発展

顕彰会設立後、東京品川にある板垣退助の墓所周辺の土地を購入し整備、造園を行いました。また、『板垣退助先生略伝』を編纂し、墓前祭を執り行い、佐藤栄作の揮毫による「板垣死すとも自由は死せず」の碑を建立しました。さらに、高知市の板垣山にも分骨墓を建立し、『立國の大本』を再版するなど、精力的に活動しました。

毎年7月16日には慰霊祭を行い、国家戦略会議を開いていましたが、機密事項に触れる可能性があったため、その後非公開となりました。

佐藤栄作名誉総裁の尽力により、沖縄返還が実現したことは、顕彰会の大きな成果の一つとなりました。また、自主憲法制定国民会議にも積極的に関わっていました。

高岡体制以降の活動

髙岡功太郎が理事長に就任して以降、顕彰会の活動はさらに多様化しました。慰安婦問題や南京事件に関する検証、靖国神社参拝、日本民族の起源に関する研究など、歴史問題や民族問題に関する活動に積極的に関与しています。また、憲法改正の必要性を訴える街頭演説や署名活動にも力を入れています。

2018年の明治維新150年、板垣退助百回忌を機に、一般社団法人化を果たしました。この際には、安倍晋三元首相から「板垣死すとも自由は死せず」の揮毫をいただき、東京と高知の両菩提寺に奉納しています。

近年の主な活動

近年の活動は、明治維新150年を機にさらに活発化しており、以下のような事業が展開されています。

板垣退助のDNA解析: 板垣退助の子孫のDNAを解析し、その系統を特定するなど、歴史解明に貢献する研究を実施しています。
記念事業: 板垣退助百回忌記念事業として、記念書籍の出版、各地での法要、講演会などを開催しています。
安倍晋三元首相顕彰: 安倍晋三元首相の顕彰事業にも積極的に関わっています。
その他: 義士顕彰、教科書への史料提供、シンポジウム開催、ゆかりの地巡りのツアーなど多様な活動を行っています。

まとめ

板垣退助先生顕彰会は、単なる顕彰団体にとどまらず、歴史の検証、民族問題への取り組み、憲法改正への提言など、現代社会における様々な課題に積極的に関与する活動を行っています。その活動は、板垣退助の自由と独立の精神を受け継ぎ、現代維新の実現を目指していると言えるでしょう。

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