板東浩二

板東浩二について

板東浩二（ばんどうこうじ、1953年11月23日生まれ）は、日本の実業家であり、株式会社NTTぷららの創業者です。彼は「ひかりTV」事業の立ち上げにも深く関わり、2019年6月まで同社の代表取締役社長を務めました。その後、エグゼクティブプリンシパルの職に就き、現在はテック情報株式会社の代表取締役会長や、複数の企業や団体の社外取締役も務めています。工学博士でもある彼は、デジタルメディアの普及に貢献し続けています。

人物・来歴

徳島県出身の板東は、城南高校を経て徳島大学工学部電子工学科に進学しました。そこで彼はノーベル物理学賞を受賞した中村修二と同じクラスでした。1977年に同大学を卒業すると、日本電信電話公社（現NTT）に入社。彼はこの道を進む中で様々な役職を歴任し、1998年にはNTTぷららの代表取締役社長に就任しました。就職活動を振り返る彼は、厳しい時代に電電公社からの採用を勝ち取ったことが印象深いようです。彼は困難な状況に立たされても全力で取り組む大切さを若者に伝えています。

NTTぷららは設立から数年後には財政的な困難に直面し、板東が社長に就任した頃には約37億円の累積損失と毎月1億円以上の赤字を抱えていました。この厳しい状況にもかかわらず、彼は徹底したリストラや事業戦略の転換を行い、インターネットサービスプロバイダー（ISP）事業に特化することで会社の立て直しに成功しました。彼はその時期を「インターネットのマーケットが急拡大していたため、他の事業を削除し、当社はプロバイダーの会社になった」と振り返っています。

2000年代初頭、彼は成長が期待されていたプロバイダー市場に対して危機感を持ち、次に求められるサービスを模索しました。その結果、2004年にはインターネットを使った多チャンネル放送とビデオオンデマンドを組み合わせた「4th MEDIA」を提供開始。これにより、ひかりTVの基盤が築かれました。

ひかりTVはその後、順調に成長し、2010年には100万会員、2015年には300万会員を突破します。さらに、板東は2014年には日本初の4Kビデオオンデマンド商用サービスの開始にも関わりました。これにより、より多様なコンテンツの提供が実現し、彼のビジョンが実を結びました。

エピソード

板東は自身の経験を振り返り、かつては日々の責任感から眠れぬ夜も多かったと告白します。多忙な毎日の中で、自身のメンタルヘルスを保つために様々な工夫を凝らしてきました。また、彼は読書が多く、年間100冊以上を読むことから、経営者としてのセンスを磨いてきたとも語っています。

格闘技に情熱を注いでいた若い頃には、道場での経験から自分の方向性を見つけることができると信じており、UFCを通じて格闘技への愛情を継続しています。彼は、挑戦する人々を支援することをライフワークにしており、特にスポーツ選手の育成や、日本文化の普及に対する貢献に熱意を注いでいます。

板東は「変幻自在」という言葉を好み、会社の文化を変えるための取り組みを大切にしています。「考えるな、感じろ」という哲学も持ち、その言葉を通じて即行動することの大切さを語ります。

板東浩二は、歴史ある企業に新たな風を吹き込み、情報メディアの発展に寄与し続ける重要な存在です。彼の経験や見解は、ビジネス界のみならず、広く多くの人にとって学びの源となるでしょう。

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