析木城の戦い

析木城の戦い

析木城の戦いは日露戦争中の貴重な戦闘の一つであり、日本陸軍第四軍が勝利を収めたことで、次の作戦地である遼陽へと進むことが可能となりました。

戦闘は、第四軍が大弧山に上陸し、独立第十師団を加えた後、海城近郊の戦略的地点である析木城（セキモク-ジョウ）に向けて進撃する形で始まりました。ここにはシベリア第二軍団が配備されており、敵の動きが日本側の指揮官にとっての大きな懸念材料となっていました。

1877年7月27日、満洲軍の総司令官は、敵への攻撃を行うために第二軍と第四軍を前方に進める必要性を認識し、第五師団を析木城周辺に派遣するよう命令しました。この命令を受けた第四軍司令官は、7月30日に行動を開始し、すぐに敵の撃破を目指すことを決定しました。

同時に、第二軍の司令官は、各軍が敵に対して攻撃を進める中で、第二軍が大石橋で動きを止めることは不適切であるとの見解を示し、8月1日からの行動開始を提案しました。この提案は承認され、第二軍は進出を開始し、唐王山北方の無名河付近に至りました。

7月31日、第四軍の第十師団と第五師団は、早朝より析木城西方のザスリッチ軍に対して攻撃を実施しましたが、思ったように進展は見られませんでした。しかし、総司令官はこの状況を受けて、海城を占領するよう命じる決断に至りました。

8月1日早朝、後備歩兵第40連隊と第10師団が敵の陣地を占領した際、敵軍は石門嶺とその以西の沙河右岸に退却したとの情報が入ります。この戦鬪に直接参加した日本軍の戦闘要員は34,400人であり、死傷者は853名に達しました。また、主に捕獲した物資としては野砲6門、小銃592丁と、34名の捕虜が含まれています。

今回の戦闘によって得られた情報からは、敵は遼陽周辺を放棄し北方に撤退する意図が見える一方で、遼陽における装備の充実と兵力の増強が進められている様子も認められ、戦局はさらに複雑化していくと予想されました。総司令官は、旅順の陥落を待って第三軍を増強し、遼陽における決戦に備える策を期待しました。

総じて、析木城の戦いは日露戦争の重要な局面を形成し、敵軍に対する決定的な一撃を果たすための戦略的踏み台となるべく、日本軍が果敢に進撃した戦闘でありました。

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