林茂司

林 茂司について

林 茂司（はやし しげじ、1912年3月29日 - 1984年2月8日）は、日本の労働経済学を専門とした著名な経済学者です。彼は特に北海道地域の産業や経済に関する研究で知られ、札幌商科大学の学長を務めたことでも名高い人物です。

生い立ちと学歴

彼は1912年、北海道勇払郡早来町（現在の安平町）に生まれました。1929年には北海道庁立札幌第一中学校を卒業し、続いて1932年に第二高等学校の文科甲類を修了しました。彼はその後、東京帝国大学経済学部に進み、1936年に卒業しています。

卒業後は、満州国の財政部で勤務し、その後、戦争が終わる前に北海道に戻り、産業復興会議の北海道幹事に就任しました。この時期に彼は地域経済の復興に向けた取り組みに関わりを持ちます。

戦後の活動

戦後、林は北海道札樽工業地帯調査会の事務局長を務めた後、1952年に北海道立総合経済研究所に入所しました。ここで彼は1962年から研究第2部長を務め、1967年には副所長に昇進します。この役職を通じて、彼は北海道の経済状況や労働市場に関する研究を進めました。

1970年には札幌商科大学商学部の教授に就任し、1972年に学長に就任しました。学長在任中は、大学の運営や教育方針に多大な影響を与え、大学の発展に寄与しました。1976年には学長の職を退任しましたが、その後も商学部の教授として学生の指導に従事し続けました。

1983年には札幌商科大学を定年退職しましたが、そこで培った知識や経験は他の大学でも講義を通じて広く伝えられました。彼は室蘭工業大学や北海学園大学でも非常勤講師として後進の育成に尽力しました。

主な研究業績

林茂司は、労働経済学に関する数多くの論文を執筆しており、特に地域経済や中小企業の賃金構造についての研究が評価されています。以下に彼の主要な論文を紹介します。

• - 『北海道の工業と賃金の構造』 （北海道総合経済研究所 93号, 1963年）
• - 『中小企業における賃金と労働--家具建具工業における』 （北海道労働研究 102号, 1967年）

これらの研究は、北海道だけでなく、日本全体の労働経済の理解を深めるための貴重な資料とされています。彼の業績は、労働市場の構造や賃金に対する理解を促進する重要な基盤となっており、今後の研究にも影響を及ぼすことでしょう。

結論

林茂司は、労働経済学の分野で重要な貢献を果たした学者であり、その研究は今も多くの研究者や学生に影響を与え続けています。経済学の学び舎である札幌商科大学をはじめとする多くの教育機関で、その知識と経験が語り継がれています。

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