林要 (実業家)

林 要（はやし かなめ）

林 要は1973年9月10日生まれの日本の実業家で、ロボットベンチャー「GROOVE X」の創業者兼代表取締役社長です。愛知県春日井市で育ち、機械エンジニアである父の影響を受けて、幼少期からモノづくりへの興味を抱いてきました。彼の少年時代は『風の谷のナウシカ』に登場する架空の飛行機を模した模型作りに熱中し、常に空を飛ぶことに憧れを抱いていました。

彼は名古屋市立菊里高等学校を卒業後、東京都立科学技術大学で機械システム工学を専攻。この大学で数値流体力学を学び、高校では吹奏楽部、大学では航空部に所属し、様々な経験を通じてさらに技術に磨きをかけました。卒業後はトヨタ自動車に入社し、スーパーカーの開発に関わることで、自動車のエンジニアとしてのキャリアをスタートさせます。

トヨタ自動車では、特にスーパーカー「LFA」の空力性能の向上に貢献しました。さらに、ドイツに勤務時にはF1開発にも参画し、帰国後は量産車開発に関するマネジメント業務も務めました。しかし、クルマと人間の対話が希薄になっていることに疑問を持ち、異なる分野に挑戦することを決意します。

そこで注目したのが、ロボットとAIの進化でした。彼はこの新たな分野に飛び込むという選択をしました。2011年には孫正義の「ソフトバンクアカデミア」に参加し、同社の人型ロボット「ペッパー（Pepper）」の開発に取り組むことになりました。

2015年には独立し、GROOVE Xを設立。感情を持つ家族型ロボット「LOVOT」の開発を開始します。LOVOTは人々の心を癒やし、ペットのような存在としての価値を持つことを目指しました。そして2018年12月にロボットが発表されると、瞬く間に人気を得ました。特に新型コロナウイルスの影響で、家族とのコミュニケーションが見直された際には、LOVOTの需要が急増。開発当初の目的であった孤独や寂しさの解消に寄与しています。

GROOVE Xは技術面でも革新を追求し、さまざまな企業と提携しました。この過程で、145億円以上を調達し、事業をさらに拡大しています。また、LOVOTはそのデザインや機能性から多くの賞を受賞し、国際的にも注目されています。

林 要自身は「失敗を学びに変えるサイクルが成長につながる」との思いを持っており、挑戦を続けています。著書には『トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法 ゼロイチ』や『温かいテクノロジー』があり、メディア出演も多数行っています。

今後もLOVOTを通じて、人々の生活に温かさをもたらし、心の癒しを提供する存在として活躍することでしょう。

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