枝吉茂種

枝吉 茂種

日本の造園界における貢献者

枝吉 茂種（えだよし しげたね）氏は、日本の造園分野において顕著な功績を挙げた人物であり、登録ランドスケープアーキテクトとしての専門性を有しています。緑豊かな環境創造や景観設計、さらには造園業界全体の発展に長年にわたり貢献されました。

学びと専門性の確立

枝吉氏は、造園学の専門的な知識と技術を修得するため、造園分野で伝統と実績のある東京農業大学に進学されました。農学部の造園学科にて専門教育を受け、1966年に同学を卒業されています。大学で培われた高度な専門性は、その後のキャリアを通じて、多岐にわたる活動を展開するための強固な基盤となりました。

経営者および業界リーダーとしての活動

大学卒業後、枝吉氏は造園に関連する様々な領域で活動を展開されました。そのキャリアにおいては、企業の経営にも深く関与されており、特にグラック株式会社では取締役会長という重要なポストを務められました。経営者としての視点と、造園家としての専門的な知見を組み合わせることで、事業の発展に貢献されたと言えるでしょう。

また、枝吉氏は個々の事業活動にとどまらず、造園業界全体の発展にも積極的に貢献されました。日本のランドスケープコンサルタントが集まる主要な専門家団体であるランドスケープコンサルタンツ協会では、会長として業界を牽引されました。協会会長として、ランドスケープ分野の技術水準の向上、専門家の育成、そして業界の社会的認知度の向上に向けた活動を主導し、日本のランドスケープアーキテクチュアの発展に大きな影響を与えました。これらの活動は、枝吉氏が単なる実務家としてだけでなく、業界全体の将来を見据えたリーダーシップを発揮していたことを示しています。

顕彰された功績

枝吉氏の造園分野における長年の貢献は、権威ある賞によって高く評価されています。主な受賞歴として、以下の二つが特筆されます。

2013年 CLA賞マネジメント部門奨励賞: この賞は、ランドスケープコンサルタントの業務における革新的な取り組みや優れた業績を表彰するものです。枝吉氏は、「藤沢市ビオトープ管理者養成講座（上級編）運営における技術的支援」というプロジェクトにおける貢献が認められ、マネジメント部門の奨励賞を受賞しました。このプロジェクトは、地域住民が主体となってビオトープを適切に管理できるよう、専門的な知識と技術を伝えるものであり、枝吉氏による技術的なサポートは、環境教育と地域における生物多様性保全活動の推進に不可欠なものでした。

2009年 第31回日本公園緑地協会北村賞: 日本公園緑地協会北村賞は、日本の公園緑地分野において特に顕著な功績を挙げた個人に贈られる栄誉ある賞です。枝吉氏は、長年にわたる公園や緑地の整備、保全、管理に関する活動、あるいはそれらを支える幅広い取り組みを通じて、日本の都市環境における緑空間の質的向上と普及に多大な貢献をしたことが評価され、この賞を受賞しました。この受賞は、枝吉氏のキャリア全体にわたる、公園緑地分野への深い献身とその成果の大きさを物語っています。

これらの受賞歴は、枝吉氏が設計・施工といった実務だけでなく、マネジメント、教育、業界の組織運営といった多角的な側面から造園分野に貢献し、その活動が広く認められていることを明確に示しています。

まとめ

枝吉 茂種氏は、東京農業大学で造園学を修め、グラック株式会社の取締役会長やランドスケープコンサルタンツ協会の会長といった要職を歴任しました。特に、藤沢市でのビオトープ管理者養成講座における技術支援や、長年にわたる公園緑地分野への貢献が評価され、CLA賞奨励賞や日本公園緑地協会北村賞といった権威ある賞を受賞しています。その活動は、企業の経営から業界のリーダーシップ、そして地域における環境教育支援に至るまで広範に及び、日本の造園界と緑豊かな環境づくりに多大な足跡を残した人物と言えます。

参考文献

* 『公正取引委員会年次報告』大蔵省印刷局、1999年

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