枝打ち

枝打ちとは

枝打ちとは、樹木の枝を幹の付け根から切り落とす作業のことで、主に森林の手入れ（保育）作業の一環として行われます。特に人工林では、植えられた木が成長し、枝葉が茂ってくると、日の光が届きにくくなった下の方の枝は、木の成長に貢献しなくなります。そのため、節の少ない高品質な木材を生産するために、また、幹の上部と下部の太さの差が少ない、より均一な木材を得るために、枝打ちが行われます。

しかし、1990年代以降、木材価格の低迷や、節のある木材が消費者に受け入れられるようになったことから、枝打ちの必要性は以前に比べて低下しています。

商品価値を高めるための枝打ち

木材を製材すると、枝があった部分が「節」として現れます。この節は、木材の見た目を損ねたり、強度を低下させる原因となることがあります。特に、枯れた枝が巻き込まれてできた「死に節」は、見た目が悪く、強度も劣るため、避けられる傾向にあります。

そのため、生きた枝が節となる「生き節」は、自然な風合いとして評価される場合もありますが、あらかじめ下層の枝を切り落とすことで、節の発生を抑制し、木材の商品価値を高めるという目的で、枝打ちが重要な作業として行われてきました。

社会的な要請に応える枝打ち

近年では、木材の商品価値を高めるだけでなく、社会的な要請に応えるための枝打ちも重要視されています。特に、スギやヒノキの枝打ちが花粉症対策に効果があるという研究結果が発表されてから、枝打ちに対する補助制度が拡充されるなど、森林整備の一環として注目を集めています。

また、間伐と同様に、枝打ちも森林の地面に生える植物の成長を促し、土壌の流出を防ぐ効果があるため、劣悪な状態の保安林などでは公共事業としても実施されています。

枝打ちを支援する補助制度

枝打ちを推進するために、国や都道府県、市町村などの自治体では、森林組合に委託して枝打ちを行う際の費用の一部を補助する制度を設けています。これらの制度を活用することで、森林所有者の負担を軽減し、より積極的に森林整備を行うことができます。

枝打ちの作業方法

枝打ちの作業は、樹木の高さによって使用する道具が異なります。低い位置の枝を切る場合は、ナタやノコギリなどの手工具を使用します。高い位置の枝を切る場合は、「ぶり縄」と呼ばれる棒と紐を結んだ道具や、枝打ち専用の梯子、柄の長い鋸（ノコギリ）やポールソーなどが用いられます。

また、機械で木に登りながら枝を切り落とす「自動枝打ち機」も開発されましたが、機械の重量が大きく、斜面での運搬が困難なため、まだ普及には至っていません。

関連情報

枝打ちに関するより詳しい情報は、以下のリンクから参照できます。

全国育樹祭: 森林の整備・保全に関する国民の意識を高めるためのイベント。
土砂災害: 森林の保全は、土砂災害の防止にも繋がります。
間伐: 枝打ちと同様に、森林の手入れとして行われる作業。
剪定: 庭木や果樹などの樹木の形を整える作業。

* 外部リンク: 枝打ちに関するより詳しい情報や、関連機関のウェブサイトへのリンク。

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