柏木亀蔵

柏木亀蔵の生涯と業績

柏木亀蔵（かしわぎ かめぞう、1875年4月13日 - 1955年6月19日）は、日本の歌人・作詞家であり、大正から昭和初期にかけて活動を広めました。彼の出身地は鳥取県で、そこから長い歴史を持つ文人としての道を歩み始めました。

幼少期と教育

柏木は1875年に鳥取市藪片原町に生まれました。教育の道を志し、1896年に鳥取県尋常師範学校を卒業。この時期から彼の文学的な才能は芽を出し、教職に就くことで教育の現場でも影響を与えました。その後、東京高等師範学校の国文科へ進学し、1903年に卒業。学びの場において多くの影響を受け、詩や歌の創作に情熱を注ぎました。

職業生活

教員としてのキャリアは、旧制都城中学校での1年間から始まります。その後1904年には岐阜高等女学校に転任し、和歌や長詩の創作に励みました。1908年には文部省が開催した新体詩の懸賞に応募し、見事に第一部で二等に選ばれるという功績を挙げました。この受賞が彼の詩作の糧となり、さらなる創作活動へと導きました。

京都市歌との出会い

大正4年の1915年11月、京都市は大正天皇の御大典を記念して歌詞を募集しました。多くの作品が集まる中、柏木の応募作が二等に選ばれました。実は一等に該当作がなかったため、彼の作品がそのまま「京都市歌」として採用されました。この歌は1951年まで広く歌い継がれ、彼の名を全国に知らしめるきっかけとなりました。

校長としての役割と戦後の活動

1924年には岐阜県の武儀高等女学校に異動し、校長としての職務を果たしました。校長職にあった期間も、柏木は文筆活動を継続し、社会教育に目を向ける姿勢を持ち続けました。また、戦後は岐阜県歌道報国会の会長としても活動し、地域の歌や文化の振興に貢献しました。

最後の時期

柏木は1955年6月19日に生涯を閉じました。享年は81歳で、彼の残した多くの作品は今でも人々の心に息づいています。京都市中京区の押小路通には、柏木が寄贈した閑院内裏の跡地を示す石標が残されており、彼の功績を偲ぶ場所となっています。

主要な著作

柏木は著作も多く残しましたが、1949年にはGHQの方針により、公共図書館所蔵の彼の著作は没収・廃棄処分となりました。特に「肇国精神の大経典 四大詔勅義解」は1939年に創生社から出版されましたが、現存するものはありません。

まとめ

歌と文学を通じて世に名を残した柏木亀蔵は、鳥取県から出発し多くの人々に感動を与えました。彼の遺した歌詞や文学作品は、今日でも多くの人々に愛され、多くの後進に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索