柳井オートレース場

柳井オートレース場の歴史

柳井オートレース場（やないオートレースじょう）は、かつて山口県の柳井町、現在の柳井市に位置していたオートレース場です。このオートレース場は、西日本地域へのオートレースの導入を目的として開設されました。1951年の初開催から1955年までの短い運営期間中には、多くの困難に直面し、その後の廃止の運命を辿ることになります。

概要と初開催

柳井オートレース場は、1949年に廃止された柳井競馬場の施設及び走路をリユースし、1951年11月20日に初めてレースが行われました。この際、競馬場のコースを流用する形で、1周1,000メートルという長大なコースが特徴的でした。当時のオートレース場は通常800メートルのダートコースが標準でしたので、柳井オートレース場のコースは特に長く設定されていました。ただし、走路幅は18メートルと狭く、他の競技場が20メートル以上である中、その点は後々に問題視されることとなりました。

売上の低迷と改修工事

初開催は苦労の末実現されたものの、売上は予想を下回る結果となりました。その後、走路の幅員を広げるために改修工事が実施されましたが、工事は多くの困難を伴い、完成までに約4ヶ月を要しました。改修後の第2回開催は1952年の4月に行われましたが、改修の成果にもかかわらず、売上は初開催とほぼ同じ水準に留まりました。

経営状態の悪化と閉場

1953年5月に行われた第3回開催もまた売上の改善には繋がらず、さらに所属選手が少なかったため、レースの枠数の縮小を余儀なくされました。この結果、売上を改善するための手段はほとんど残っていませんでした。柳井オートレース場は最低限の赤字運営を続けていましたが、1955年に台風が直撃し、施設は甚大な被害を受けました。スタンドが全壊し、走路も水没するという惨状が展開されました。

復旧作業後、1956年1月には再開の目途が立ったものの、その後も売上が回復することはなく、ついには1957年10月に休止となりました。この後、開催は行われず、正式に閉鎖される運命を迎えました。

その後の展開

柳井オートレース場の閉鎖後、1965年には山陽オートレース場が開設されましたが、これには特定の背景がありました。1958年に新規の競馬場が設立されないことが決定されたため、柳井オートレース場の移転が行われました。この移転プロセスには多くの時間がかかりましたが、1962年に法律が改正され、競走場の移転が認められたことで新たな道が開けました。

まとめ

柳井オートレース場は、短い期間の運営ながらも西日本におけるオートレースの試みとしての意義を持ち、数々の困難を抱えながら運営されました。現在はその存在が忘れ去られているかもしれませんが、当時の競技文化の一端を担っていたことは間違いありません。

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