柳井俊二

柳井俊二のプロフィール

柳井俊二（やない しゅんじ、1937年1月15日生まれ）は、日本の著名な外交官であり、特に国際海洋法に多大な貢献をしてきた人物です。彼は1997年から1999年まで外務事務次官を務め、その後、1999年から2001年まで駐米大使として日本の対米関係の強化に寄与しました。外交キャリアの一環として、彼は2005年より国際海洋法裁判所の判事を務め、2011年には同裁判所の所長に選出され、日本人初の役職者として歴史に名を刻みました。

家族背景

柳井は東京で生まれ、外交官や法律家の家庭に育ちました。父の柳井恒夫は外務省の条約局長を務め、兄も運輸官僚として活躍していました。祖父は医師であり、柳井家は代々備中松山藩の藩医を務めた家系に由来しています。

学歴と外務省への入省

彼は学習院で初等教育を受け、続いて東京大学法学部を卒業し、1961年に外務省に入省しました。彼の外交キャリアは、フランスのストラスブール大学でのフランス語研修や、様々な国の日本大使館での勤務を含みます。特に、国連代表部やインドネシア大使館、韓国大使館での経験が彼の外交スキルを高めました。

主な業績

柳井は、経済局や条約局、アジア局などの各局で勤務し、1988年にはサンフランシスコの総領事を務めました。その後、条約局長や総合外交政策局長、そして外務事務次官として重要な役職を歴任しました。また、国際的な問題にも関与し、特に1991年に行った参議院予算委員会での発言は、日韓基本条約の解釈に関する論争を引き起こしました。

できればその後の訴訟は、個人請求権に基づくものであったとされています。

駐米大使としては、アメリカ同時多発テロ事件後の対応において重要な役割を果たし、特にアーミテージ国務副長官との会談では日本の立場を鮮明にする必要性について触れました。

不祥事と退官後の活動

2001年には外務省の機密費流用事件により厳重訓戒処分を受け、その後お辞めになりました。しかし、彼のキャリアはここで終わることなく、中央大学法学部で教授として教壇に立ち続けました。さらに、国際海洋法裁判所での活動や安全保障の法的基盤に関する懇談会の座長として、日本の外交政策に対しても影響力を持ち続けています。

著作と最近の活動

柳井は、2007年に『外交激変』という著書を発表し、彼の外交観や経験について記しています。また、日本の集団的自衛権に関する憲法解釈の見直しについても、諮問機関の一員として関与してきました。近年では、国際的な法の体系や海洋問題に関する議論にも参加し、学習院女子大学や早稲田大学などでも教鞭を執っています。

まとめ

柳井俊二氏は、その外交キャリアを通じて日本の国際的な立場を強化し、世界の海洋法の発展にも貢献してきました。彼の知見や経験は、今後の日本外交においても重要な指標となるでしょう。

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