柳亭燕路 (3代目)

3代目 柳亭 燕路について

3代目柳亭燕路（りゅうていえんじ）は、1845年5月に生まれ、1921年9月13日に亡くなった著名な落語家です。本名は中村政吉で、彼は東京都の銀座に生まれ育ちました。燕路は初代春風亭柳枝の弟子として修業を始め、燕里から錦糸と名が変わりました。彼の落語家としてのキャリアは、維新前から始まり、浅草見附にある太平木場の寄席で真打ちとしての地位を確立したという実績があります。

明治時代に入ると、燕路は地方を回りながら活動するようになり、笑福亭語鶴の弟子として「ちょん鶴」の名で知られることもありました。その後、彼は初代燕枝の門下で「燕之助」、また春風亭傳枝、錦枝、さらには初代柳亭小燕枝へと名前を次々に変えていきました。彼の名前の変更は、師匠への敬意や自身のスタイルの変化を反映したものと見ることができます。

1874年には金原野馬之助、1879年には4代目土橋亭里う馬の襲名を受け、また2代目が亡くなった後の1883年頃には3代目燕路を名乗るようになりました。落語家としての彼のスタイルは、長い旅行を通じて養った膨大なネタの豊富さが特徴であり、「源平盛衰記」や「俵藤太」といった地噺を得意としていました。

彼は赤坂に住んでいたことから「赤坂の燕路」とも呼ばれました。燕路の名前は、明治末から大正期にかけて活躍した柳派の重要な落語家の一人として高く評価されています。彼の生涯や伝説的なエピソードは、6代目三遊亭圓生の著作「寄席育ち」で詳しく紹介されており、当時の落語界の様子や燕路の人柄を伺わせる貴重な資料となっています。

燕路の落語は、当時の人々に愛され、彼の演技は多くのファンを魅了しました。享年76という長寿を全うし、彼の存在は後の世代の落語家に多大な影響を与えました。燕路は明治から大正という激動の時代を生き抜き、そのキャリアを通じて日本の伝統芸能である落語の発展に寄与した名人として、今もなおその名が語り継がれています。

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