柳内伸作

柳内 伸作の人物像と経歴

柳内伸作（やない しんさく）は1947年生まれの日本の著作家であり、元陸上自衛隊の三等陸佐です。福島県出身の彼は、東京経済大学を1971年に卒業した後、陸上自衛隊調査学校に進み、心理戦を専攻しました。その後、陸上幕僚監部調査第二部で情報機関としてのキャリアをスタートさせます。

派閥及び訴訟の経緯

1977年から、その後1990年まで、柳内氏は複雑な職務遂行の中で、特に1985年に発生した宮永スパイ事件に関与することとなり、無実の嫌疑を受けました。その際、彼は偽計により不当な配置転換を受け、自身の元上司に対して民事訴訟を提起しましたが、残念ながら敗訴でした。この間、1985年には富士学校研究員に転出し、1987年には三佐に昇進しました。そして1990年には陸上自衛隊高射学校の戦史教官に就任しました。

論文と懲戒免職

教官在職中の1992年には『週刊文春』に寄稿する形で論文を発表し、日本の政界における腐敗を批判しました。この中で「革命かクーデターしかない」と述べ、国家や国民の将来を考える上でクーデターの必要性を示唆しました。この発言は自衛隊にとって異例な問題視され、柳内氏は自衛隊法58条に違反したとして懲戒免職の処分を受けました。これにより、報道機関への寄稿による免職が自衛隊全体の中でも初のケースとなりました。

著作活動とテーマ

2010年代以降は新たな著作を発表していないものの、彼の著書は多岐にわたるジャンルを網羅しており、戦争や戦略、歴史に関するテーマが特徴です。代表的な著書には1988年に出版された『日本を襲う国際謀略の魔手』、1990年の『戦争・戦略情報パズル』、1992年に刊行の『人はどこまでワルになれるか』が挙げられます。また、第二次世界大戦や拷問と処刑に関する多くの書籍を世に送り出しています。特に『拷問・処刑・虐殺全書』や『世界リンチ残酷史』は、その衝撃的な内容から話題を呼びました。

このように、柳内伸作の経歴は自衛官としての活動、作家としての表現、そして公の場での発言が複雑に絡み合ったものです。その作品は歴史や戦争に対する独自の視点を持ち、多くの読者に影響を与えています。

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