柳卓

柳卓（やなぎ たく）氏は、1951年4月30日生まれの元琉球放送（RBC）アナウンサーです。北海道芦別市に生まれ、少年時代を芦別市と札幌市で過ごしました。現在でも故郷北海道には毎年足を運んでいます。

大学時代は東京アナウンスアカデミーでも学び、アナウンサーを志しました。大東文化大学文学部を卒業後、1975年に琉球放送に入社。翌1976年には、若手ディスクジョッキーの登竜門として知られた『飛び出せ!全国DJ諸君』でグランプリを獲得し、その実力が広く認められました。この才能を見込んだニッポン放送から移籍の誘いもあったといいますが、柳氏はRBCに留まる道を選び、沖縄の地でそのキャリアを築き上げました。

RBCでは長年にわたり、「名物アナウンサー」として多くの番組を担当し、リスナーや視聴者から親しまれました。単なるアナウンサーとしてだけでなく、ラジオ局の次長（局長代行）を務めるなど、組織運営にも深く関わり、後進の育成や局の発展にも貢献した「ブレイン」的な存在でした。2011年4月、同僚の小山康昭氏とともに定年を迎えましたが、柳氏は「しゃべること」への強いこだわりから、フリーランスとして活動を継続する道を選び、現在もRBCiラジオの番組に出演しています。

また、柳氏は多趣味としても知られ、特に写真機材への造詣は深く、プロ顔負けの機材を所有していた時期もありました。

柳氏のキャリアにおける特筆すべき活動の一つに、故郷である北海道と沖縄を結ぶ「白い北海道ツアー」があります。1982年、柳氏自身の発案により、RBCと沖縄ツーリストの共同企画としてスタートしました。沖縄の人々に北海道の冬の魅力を伝えたいという思いから生まれたこのツアーは、毎年企画され、柳氏も開始当初から欠かさず同行者として参加してきました。30回目のツアーとなった2012年2月には、阿寒湖温泉からのラジオ生放送中に、長年の功績を称えられ釧路市から感謝状が贈呈されました。しかし、新型コロナウイルスの世界的な流行は、この長寿ツアーにも影響を与えました。2021年度は実施が見送られ、2022年度も募集は行われたものの、感染状況の長期化により中止となり、代替企画として「初夏の北海道ツアー」が開催されることとなりました。そして、2022年11月、長年担当するラジオ番組『柳卓のいんでないかい』の中で、2023年2月に予定されていた第40回をもって「白い北海道ツアー」を終了することが発表されました。

柳氏は、その長いキャリアの中で、テレビ、ラジオを問わず多岐にわたる番組を担当してきました。現在担当しているRBCiラジオの『柳卓のいんでないかい』をはじめ、過去には以下のような番組でその声や姿を届けてきました。

現在の担当番組 (ラジオ)

柳卓のいんでないかい

過去の担当番組 (テレビ)

歌でヨーイ!卓でドン!
カラオケチャンピオンあなたも出番!
RBCジャーナル金曜日
おきなわ愛ランド
ゆん卓サンデー
チャンプルーな感じ

過去の担当番組 (ラジオ)

シャープ金の歌銀の歌
ご存知!深夜大学
ナイト・ヤング・メイツ
日曜ちゃんこ鍋
柳卓です!土曜の朝はにぎやかに
柳卓のスーパーサタデー
柳卓のでっかい朝
柳卓のどっこいしょ!
柳卓のみみぐすい
柳卓のシャキッとi
下城達也のミッドナイトエクスタシー
柳卓のほっとスマイル
雄大の炎歌DE演歌
団塊花盛り!
聴いた！見た！話した！アナウンサーたちの沖縄復帰

また、企業CMにも出演実績があります。

琉球放送の名物アナウンサーとして長年活躍し、定年後も現役としてマイクに向かい続ける柳卓氏は、沖縄のメディア界において独自の存在感を放っています。故郷への愛が生んだ「白い北海道ツアー」のように、単なる情報伝達者にとどまらない、人間味あふれる活動も彼の大きな魅力と言えるでしょう。

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