柳明佑

柳 明佑：韓国ボクシングのレジェンド

柳明佑（ユ・ミョンウ）は、1964年1月10日に大韓民国で生まれた元プロボクサーである。彼はWBA世界ライトフライ級チャンピオンとして知られ、その無尽蔵のスタミナと連打力で多くのファンを魅了した。特に、彼の連続パンチは「ソナギ（夕立）パンチ」と呼ばれ、ボクシング界で有名なアプローチとなった。

柳はまた、17度の世界タイトル防衛を果たしており、その記録は2018年時点で同階級での最多記録である。だが、異論もあり、彼は敵地での防衛戦を行わなかったため、批評家からは「アンバン（奥の間）チャンピオン」といった非難の声もあった。

選手としての経歴

1982年にプロデビューを果たし、その後1984年には初のノンタイトル戦でKO勝ちを収め、連勝記録を14に伸ばした。この頃から彼は徐々に名を馳せ、1984年12月にはOPBF東洋太平洋王座に挑戦。フィリピンのエドウィン・イノセンシオを3回KOに降し、王座を獲得する。

その後、1985年には世界王座初挑戦を果たし、米国のジョーイ・オリボとの試合で判定勝ちを収めた。これにより、ついに世界ライトフライ級王者に輝いた。以降、彼は年間3～4回のペースで防衛を重ね、1990年には張正九の防衛記録に追いつくなど、圧倒的な実力を示した。

栄光からの転落と復活

柳は1991年、初の海外での試合で井岡弘樹と対戦し、判定負けを喫した。この試合は彼にとって初の黒星となり、長い間保持していた世界王座を失うことになった。試合後は一時引退も考えたが、彼は再起を決意し、1992年に井岡と再戦を果たす。

この試合では、前回の敗北を晴らし、12回のフルラウンドを経て判定勝ちを収めた。この勝利は柳にとってのリベンジであり、王座返り咲きとなった。その後も、1993年に初防衛を成功させた後、9月には現役引退を決断した。

柳は「井岡に負けたまま引退するわけにはいかなかった」と語り、自らのプライドを保つための戦いだったことを明かしている。

引退後の活動

引退後は、ボクシングジム「バッファロー体育館」とプロモーション会社「バッファロー・プロモーション」を設立し、指導者やプロモーターとして後進の育成に尽力している。
2013年には国際ボクシング殿堂にも選ばれ、その功績が認められた。さらに、2017年には韓国ボクシングの再興を目指し、かつてライバルであった張正九とのエキシビジョンマッチが計画されたが、日韓の政治的な緊張により中止となった。

獲得タイトル

• - 第9代OPBF東洋太平洋ライトフライ級王座（防衛1=返上）
• - WBA世界ライトフライ級王座（1度目:防衛17、2度目:防衛1=返上）

柳明佑のボクシングキャリアは、圧倒的なスタミナと高い技術に裏打ちされたものであり、彼の名は韓国ボクシング史に燦然と輝いている。彼の足跡は、後進の選手たちにとっても大きな目標となるだろう。

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