柳明桓

柳明桓（ユ・ミョンファン）

柳明桓（ユ・ミョンファン、1946年4月8日 - ）は、韓国の外交官、政治家であり、外交通商部長官を歴任しました。特筆すべきは、日本統治時代終了後に生まれた初の駐日韓国大使であるという点です。

経歴

1973年7月に外務部に入部して以来、柳明桓は着実にキャリアを積み重ねていきました。

1976年2月 - 駐日3等書記官として日本での勤務を経験。
1979年12月 - 大統領秘書室に派遣され、要人との交流や政策立案に携わります。
1981年7月 - 駐シンガポール1等書記官として、東南アジア地域における外交活動に従事。
1985年5月 - 再び大統領秘書室に派遣。
1986年9月 - 北米課長に就任し、アメリカとの外交関係を担当。
1988年1月 - 長官補佐官として、外務行政の中枢を担います。
1988年10月 - 駐米参事官として、アメリカ合衆国に赴任。
1991年12月 - 米州局審議官として、米州地域における外交政策を統括。
1992年8月 - 公報官として、広報活動を指揮。
1994年1月 - 駐国際連合公使として、国際連合での活動に参加。
1995年3月 - 大統領秘書室外交秘書官として、大統領の外交活動をサポート。
1996年3月 - 北米局長に就任し、北米地域との外交関係をさらに強化。
1998年4月 - 駐米公使として、アメリカとの外交交渉を担当。
2001年8月 - 長官特別補佐官として、長官を補佐。
2001年12月 - 対テロ及びアフガン問題担当大使として、国際テロ対策に尽力。
2002年3月 - 駐イスラエル大使として、中東地域における外交活動を展開。
2004年3月 - 駐フィリピン大使として、東南アジア地域における関係強化に貢献。
2005年7月 - 外交通商部第2次官に就任し、外務行政を統括。
2005年9月 - 外交通商部第1次官に昇進。
2007年3月 - 駐日大使に任命され、日韓関係の改善に尽力。
2008年2月 - 外交通商部長官に就任。（2010年9月4日辞任）
2015年11月 - 旭日大綬章を受章。

娘の縁故採用疑惑と辞任

2010年7月、柳明桓の娘が外交通商省の契約職員採用試験に合格しましたが、その採用過程において、書類審査と面接のみで筆記試験が免除されたことから、縁故採用の疑念が浮上しました。この疑惑を受け、柳明桓は同年9月4日に外交通商部長官を引責辞任する意向を表明し、娘も合格を辞退しました。この事件は、韓国社会における公正な採用プロセスの重要性を改めて認識させる出来事となりました。

アジア通貨危機に関する発言

柳明桓は、1997年のアジア通貨危機に端を発する韓国の経済危機について、日本が短期外債の回収を行ったことが、各国が韓国から資金を引き上げるきっかけになったと指摘しています。この発言は、当時の国際金融情勢と韓国経済の関係を考察する上で重要な視点を提供しています。

その他

2019年3月、「より良い未来のための潘基文財団」財団発起人大会に出席しています。

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