柳津駅 (岐阜県)

柳津駅について

名古屋鉄道竹鼻線の柳津駅（やないづえき）は、岐阜県岐阜市柳津町梅松一丁目に位置する駅です。駅番号はTH02が与えられています。

沿革

現在の柳津駅は、2008年（平成20年）6月29日に移転したものです。以前の駅は、柳津町宮東一丁目に設けられていました。この旧駅は、カーブしている箇所にホームが構築されていたため、ホーム自体が大きく湾曲しており、停車する列車との間に広い隙間が生じていたことが特徴です。特に3扉車両の中央扉付近では、約40cmもの隙間が開くこともあり、利用者の安全に関わる問題でした。そのため、列車接近時には隙間への注意を促すアナウンスが繰り返し流れ、安全対策として4両編成の全長にわたる転落検知マットが敷設されていました。

しかし、利用者のホームからの転落を防ぐ安全性の確保と、駅の利便性向上を図る目的から、旧駅から約230m東側（西笠松駅寄り）の現在地へ移転が決定されました。移転当初、新たな駅前は広々とした歩行者・通行者専用の空間となっていましたが、その後、岐阜市によって駅前広場の整備が進められ、利用しやすいロータリーや駐輪場が設置されました。また、竹鼻線の駅で唯一導入されていなかったICカードシステム「トランパス」（後にmanacaへ移行）も、駅移転と同時に使用可能となり、駅集中管理システムによる無人駅として運営が開始されました。

駅移転に伴い、旧駅を基準として設定されていた運賃区間にも変化が生じました。移転後の駅を基準とすることで運賃が下がる区間については、運賃が値下げされ、該当する定期券や回数券は無手数料で払い戻しが行われました。一方で、当駅と新羽島駅との間の駅など、運賃が上昇する区間も発生しましたが、これらの区間については運賃が一時的に据え置かれる措置が取られました。この運賃体系は2024年（令和6年）3月16日に実施された運賃改定によって見直され、2008年の駅移転以来適用されていた特定運賃制度が廃止され、営業キロに基づいた通常の運賃体系へと移行しました。

旧駅の跡地は、その大部分が現在、歩行者および自転車専用の通路として整備・活用されています。

年表

柳津駅に関わる主な出来事は以下の通りです。

1921年（大正10年）6月25日 - 西柳津駅として開業。
1953年（昭和28年）2月1日 - 柳津駅に改称。
2008年（平成20年）6月29日 - 現在地へ移転し、同時に無人駅化。
2011年（平成23年）2月11日 - ICカード乗車券「manaca」が利用開始。
2012年（平成24年）2月29日 - 「トランパス」の供用を終了。
2024年（令和6年）3月16日 - 運賃改定により、特定運賃が廃止され、営業キロに基づいた運賃体系へ移行。

駅構造

柳津駅は地上に設けられた単式1面1線のホームを備えた駅です。駅集中管理システムが導入されており、係員が常駐しない無人駅として運用されています。ホームは笠松方面に向かって右側に位置しています。改札口付近には、自動券売機と自動精算機がそれぞれ1台ずつ設置されています。自動券売機では、通勤manaca定期券（新規・継続）や通学manaca定期券（継続のみ）の購入も可能ですが、名鉄ミューズカードでの決済は利用時間に制限があります（7:00～22:00）。自動精算機では、ICカードへのチャージなども行うことができます。

利用状況

名古屋鉄道が発行した社史や移動等円滑化取組報告書によると、柳津駅の一日平均乗降人員は以下のように推移しています。

1992年度：1,924人（名鉄全駅中176位、竹鼻線・羽島線内で5位）
2013年度：3,435人（名鉄全駅中123位、竹鼻線・羽島線内で2位）

これらのデータから、特に2000年代以降において利用者が増加傾向にあることがうかがえます。

駅周辺

柳津駅周辺には、以下のような施設があります。

岐阜市柳津地域事務所（旧柳津町役場）
岐阜県立羽島北高等学校
カラフルタウン岐阜
イオン柳津店
岐阜羽島警察署
聖徳自動車学園

バス路線

駅周辺からは、「境川らくちゃんバス」が運行されています。

赤ルート: カラフルタウン、くまざき内科、天野、岐阜聖徳学園大学、高桑コミュニティ会館方面
青ルート: 松波総合病院、笠松病院/地域包括支援センター境川、カネスエ中鶉店、中佐波方面

なお、境川らくちゃんバスは、両ルートとも日曜・祝日は運行されません。

隣の駅

名古屋鉄道竹鼻線における柳津駅の隣駅は以下の通りです。

TH 竹鼻線
西笠松駅（TH01） - 柳津駅（TH02） - 南宿駅（TH03）

かつて、西笠松駅と柳津駅の間には、東須賀駅と東柳津駅が存在していましたが、これらは廃止されています。

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