柳瀬唯夫

柳瀬 唯夫について

柳瀬唯夫（やなせ ただお）は、1961年7月17日生まれの日本の官僚であり、経済産業省の経済産業政策局長や経済産業審議官を歴任しました。また、NTTリミテッド株式会社の取締役副社長および日本電信電話株式会社の執行役員副社長としても活動しています。特に原子力政策に関しては「原子力立国計画」を策定し、原発推進派として知られています。彼は麻生内閣と第2次安倍内閣の時に2度にわたり首相秘書官を務め、多方面での影響力を持っています。

経歴

静岡県で生まれ育った柳瀬は、私立武蔵高校を卒業後、1984年に東京大学法学部を卒業しました。その後、国家公務員上級甲種試験（法律）に合格し、通商産業省に入省しました。彼のキャリアの初めは1984年4月に工業技術院総務部に配属されたことから始まります。1991年にはアメリカに留学し、1992年にはイェール大学大学院で国際開発経済学を修了しました。

留学から戻った後、生活産業局の通商課や機械情報産業局の自動車課に勤務し、その後、大臣官房総務課で法令審査委員としての役割も果たしました。1999年にはニューヨークにある日本貿易振興会で産業調査員を務め、2002年からは経済産業省の経済産業政策局で政策企画官を務めました。特に2004年から2007年までの間、資源エネルギー庁の原子力政策課長として原子力政策に深く関与しました。

2008年には麻生内閣において首相秘書官に就任し、経済産業政策局の産業再生課長や大臣官房総務課長など様々な役職を歴任しました。2015年8月には経済産業政策局長に任命され、さらに2017年には経済産業審議官に就任しました。これらの役職を通じて、彼は日本の経済政策の策定において重要な役割を果たしました。

NTTにおける活動と影響

2018年に退任した経済産業審議官の後、柳瀬は東芝クライアントソリューションの非常勤取締役に選任され、その後もNTTの海外事業を統括する中間持ち株会社の非常勤取締役を務めました。2020年にはNTTリミテッド株式会社の取締役副社長であり、最高戦略責任者（CSO）として新たな戦略を打ち出しました。さらに日本電信電話株式会社の執行役員にも就任しており、事業企画室長と経済安全保障の担当を兼任しています。

政治的な問題と論争

柳瀬は内閣総理大臣秘書官としての任を務めていた時期に、加計学園の獣医学部新設に関する「首相案件」との発言が問題視され、参考人招致を受ける事態となりました。この事件は、彼のキャリアにおける重要な転機の一つとも言えるでしょう。

その他の関連活動

柳瀬は、一般財団法人AP Initiativeの設立に関与した船橋洋一や江原伸好といった人物との関係があり、経済政策に対する影響を及ぼしています。彼のキャリアは、経済における重大な政策決定に深く関わるものであり、日本の経済環境や原子力政策において決定的な役割を果たすことが期待されています。

もう一度検索