柳田博明

柳田博明氏は、日本の著名な化学者であり、教育者、研究者として多大な功績を残しました。1935年6月1日に長野県小諸市に生まれ、東京都を出身地としました。東京大学名誉教授、元名古屋工業大学学長として知られています。2006年11月20日に逝去されました。

その学究生活は、まず東京大学で始まりました。1958年3月に同大学工学部応用化学科を卒業後、大学院に進学。1960年3月に化学系研究科修士課程を修了して工学修士号を取得し、さらに1963年3月には同博士課程を修了し、工学博士号を授与されました。

博士課程修了と同年の1963年4月、東京大学工学部工業化学科の助手として研究者の道を歩み始めました。同年7月には早くも講師に昇任し、その後も順調にキャリアを重ね、1966年4月には助教授となります。そして1978年6月には同科の教授に就任し、長期にわたり東京大学で教育・研究活動を主導しました。

教授職にある間、柳田氏は様々な重要な役職を兼任しました。1987年5月から1989年3月まで、東京大学先端科学技術研究センターの教授を務め（工学部教授と併任）、1989年4月から1991年3月にかけては、同センター長という重責を担いました。この期間には東京大学の評議員も兼任しています。先端科学技術研究センター教授の職務は、1990年4月から1996年3月まで（途中中断あり）再び継続されました。また、1991年4月から1993年3月までは環境安全センター長、1993年4月から1995年3月までは環境安全研究センター長としても大学の運営に深く関与しました。

さらに、大学院の組織改編に伴い、1992年4月から1996年3月まで、東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻（インテリジェント材料学分野）の教授（工学部工業化学科に分属）も務め、新しい分野の研究と教育にも力を注ぎました。国際的な活動としては、1995年2月から1996年3月まで、日本学術振興会のロンドン研究連絡センター長を兼任し、日本の学術研究の国際交流にも貢献しました。

1996年3月に東京大学を退官した後も、柳田氏の活動は多岐にわたりました。同年4月からは（財）ファインセラミックスセンターの専務理事および試験研究所長に就任し、日本のセラミックス技術研究の推進に寄与しました。同年5月には東京大学名誉教授の称号が授与されています。

1998年には、長年の研究功績が認められ、紫綬褒章を受章しました。

2000年10月にファインセラミックスセンターの役職を退任後、同年11月からは名古屋工業大学の学長に就任し、2004年1月まで大学運営の指揮を執りました。学長退任後も、2004年4月からは学術振興会・学術システム研究センターの副所長（非常勤）、同年7月からは名古屋工業大学の特任教授（非常勤）として教育・研究分野に関わり続けました。

さらに、実業界にもその知識と経験を活かし、2004年10月からはテクノサーチ株式会社の代表取締役社長を務めました。2005年4月には東北大学未来科学技術共同研究センターの客員教授に就任するなど、各地の大学での指導にもあたっています。

晩年に至るまで精力的に活動し、2006年4月からは名古屋市科学館の館長、そして岐阜大学の監事も務めました。

柳田博明氏は、化学の研究者、教育者として次世代の育成に貢献するとともに、大学や研究機関、さらには産業界や公共施設においても要職を歴任し、日本の科学技術の発展と社会貢献に尽力した人物と言えるでしょう。

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