柳田英明

柳田英明のプロフィール

柳田英明（やなぎだ ひであき）は1947年1月1日、秋田県南秋田郡八郎潟町に生まれた日本のレスリング選手である。秋田商業高校を卒業後、明治大学に進学し、この傍らでレスリングの腕を磨いた。大学卒業後は大都リッチランドに勤務し、競技者としての活動を続けた。

レスリングキャリアのハイライト

柳田はフリースタイル57kg級の選手として、1969年から1972年にかけて全日本レスリング選手権大会で4年連続優勝を果たし、その名を轟かせた。特に1970年にはアジア競技大会（タイ・バンコク）やレスリング世界選手権で2年連続で優勝し、その強さから1964年の東京オリンピックフェザー級金メダリストである渡辺長武を思い起こさせる存在として称され、「アニマル二世」とも呼ばれた。

ミュンヘンオリンピックでの金メダル

柳田は1972年にミュンヘンオリンピックに出場し、フリースタイル57kg級で金メダルを獲得した。彼はオリンピック前の3日間、減量に悩みながらジュースだけで過ごし、試合に臨んだ。その結果、7試合を全勝で締めくくり、金メダルを手にした。試合中、彼がウォーミングアップ場で深い眠りに陥り、大きなイビキをかいていたことが話題になり、外国選手たちが驚くほどの度胸を見せたというエピソードも残っている。また、地元からは多くの関係者や住民が応援に訪れ、金メダル獲得の報せが届くやいなや、実家の床が抜けたという微笑ましい逸話もある。

引退後の活動

現役を引退した後、柳田は1976年のモントリオールオリンピックまで日本代表のコーチを務め、その後故郷の八郎潟町に戻り家業の酒販店を手伝った。しかし1983年には大韓民国ナショナルチームのコーチとして招かれ、1988年のソウルオリンピックまでその役割を果たした。

後進の指導と社会貢献

1993年からは八郎潟町でレスリング教室を開き、若い選手たちの指導に力を入れている。また、彼は故郷の後輩、佐藤満に「日本体育大学へ進学しなさい」と進言し、多くの選手たちにその成長を促している。柳田英明の功績は、単にレスリング界に留まらず、若い世代への影響力を持つ存在であり続けている。

柳田のキャリアとその後の活動は、日本のレスリング界での偉業を示す象徴であり、彼の姿勢は多くの人々にとっての励みとなっている。

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