柴田白葉女

柴田白葉女（しばた はくようじょ）

プロフィール

柴田白葉女は、1906年9月25日に生まれ、1984年6月24日に亡くなった俳人です。本名は初子。兵庫県出身で、東北帝国大学文学部国文科を卒業しました。俳人としての活動は、父である井上白嶺の指導を受けたことから始まりました。1932年からは飯田蛇笏に師事し、その才能を開花させました。

俳人としての活動

飯田蛇笏が主宰する俳誌「雲母」の同人となり、高橋淡路女と並び、同誌を代表する女性俳人として活躍しました。彼女の俳句は、繊細な感性と豊かな表現力に特徴があり、多くの人々を魅了しました。

1954年には、加藤知世子らとともに俳誌「女性俳句」を創刊し、女性俳人の地位向上に貢献しました。さらに1962年には、自ら「俳句女園」を創刊、主宰し、後進の育成にも尽力しました。

1983年には、第七句集『月の笛』によって、俳句界の権威ある賞である第17回蛇笏賞を受賞しました。彼女の代表的な句には、「水鳥のしづかに己が身を流す」「春の星ひとつ潤めばみなうるむ」などがあり、自然の美しさを捉え、独自の感性で表現しています。句集には他に『冬椿』『遠い橋』などがあり、評論集として『女流の俳句』も著しています。

悲劇的な最期

1984年、柴田白葉女は千葉県市川市の自宅で、強盗によって命を奪われるという悲劇的な最期を遂げました。当時77歳でした。犯人は強盗傷害の前科があり、服役中に俳句に興味を持ち、白葉女の存在を知り犯行に及んだとされています。この事件は、俳句界だけでなく社会全体に大きな衝撃を与えました。

参考文献

『柴田白葉女集』 俳人協会、1977年

関連文献

栗林浩 『続々 俳人探訪』 文學の森、2011年7月

外部リンク

現代俳句人名事典における柴田白葉女の俳句
柴田白葉女の句の鑑賞（『増殖する俳句歳時記』）

もう一度検索