柴裕之

柴裕之（しば ひろゆき）

柴裕之氏は、1973年生まれの日本の歴史学者であり、博士（文学）の学位を有しています。専門は日本中世末期、特に戦国時代の政治・軍事史です。その研究は、戦国大名や織豊政権の成立過程、武将たちの戦略や人間関係に焦点を当て、多角的な視点から歴史の解明を試みています。

学歴と職歴

東京都出身の柴氏は、1999年に東洋大学文学研究科日本史学専攻修士課程を修了。その後、2002年に同大学の博士後期課程を単位取得満期退学しました。研究者としてのキャリアをスタートさせてからは、千葉県史料研究財団での嘱託研究員（2005年4月～2009年3月）を経て、2007年4月からは東洋大学文学部史学科の非常勤講師を務めました。その後も、早稲田大学エクステンションセンターや愛知大学文学部で教鞭を執り、後進の育成にも力を注いでいます。また、2017年7月からは木更津市史中世部会委員として、地域史研究にも貢献。2020年4月からは、千葉県文書館で県史・古文書課の会計年度任用職員として勤務し、史料の整理や分析に取り組んでいます。

時代考証

柴氏の活動は学術研究に留まらず、大河ドラマの時代考証という形で、歴史を大衆に広める役割も担っています。2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」や、2026年放送予定の「豊臣兄弟！」では、時代考証を担当し、ドラマの歴史的正確性や時代考証の質の向上に貢献しています。

主な著書

柴氏の研究成果は、数多くの著書として結実しています。単著としては、『戦国・織豊期大名徳川氏の領国支配』（2014年）、『清須会議 秀吉天下取りへの調略戦』（2018年）、『徳川家康 境界の領主から天下人へ』（2020年）、『織田信長 戦国時代の「正義」を貫く』（2020年）、『青年家康 松平元康の実像』（2022年）などがあります。これらの著書では、戦国時代から織豊政権期にかけての政治、軍事、社会の動きを詳細に分析し、従来の歴史観に新たな視点を加えています。

また、編著としては、『論集戦国大名と国衆 (6) 尾張織田氏』（2011年）、『論集戦国大名と国衆 (20) 織田氏一門』（2016年）、『図説 明智光秀』（2018年）、『シリーズ織豊大名の研究(8) 明智光秀』（2019年）、『図説 豊臣秀吉』（2020年）、『シリーズ織豊大名の研究(10) 徳川家康』（2021年）、『図説 徳川家康と家臣団』（2022年）、『戦国武将列伝6 東海編』（2024年）などがあります。これらの編著では、特定のテーマや武将に焦点を当て、第一線の研究者たちと共同で研究を進めています。特に、戦国大名や織田氏、明智光秀、豊臣秀吉、徳川家康といった、戦国史を代表する人物に関する研究が目立ちます。

研究テーマと特色

柴氏の研究は、戦国時代の政治・軍事史を軸に、大名や武将たちの領国支配、戦略、人間関係などを詳細に分析しています。特に、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった戦国時代の重要人物に関する研究が目立ち、彼らの生涯や思想、戦略を多角的に解明しようとする姿勢が特徴です。また、史料に基づく厳密な考証を重視し、一次史料の分析を通じて、歴史的事実を明らかにする研究手法を貫いています。著書や論文では、複雑な歴史的事象をわかりやすく解説し、歴史研究の成果を一般読者にも広く提供しています。

まとめ

柴裕之氏は、戦国時代史の研究者として、学術的な貢献だけでなく、大河ドラマの時代考証など、歴史を社会に広める活動にも積極的に取り組んでいます。今後の研究活動や、大河ドラマでの時代考証など、その活躍が期待されます。

参照: researchmap "柴 裕之 (Hiroyuki Shiba)" マイポータル

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