栂 (駆逐艦)

栂（つが）は、日本海軍の駆逐艦として活躍した艦であり、その歴史は1919年にさかのぼります。この艦は樅型駆逐艦の中で8番目に建造され、石川島造船所で起工されました。進水したのは1920年4月17日で、同年7月20日に竣工を迎えました。これ以降、栂は多様な海軍作戦に従事し、特に日中戦争と太平洋戦争での役割が重要でした。

1937年、栂は日中戦争に参戦し、揚子江流域での作戦に関与しました。この際、1938年7月3日の安慶泊地空襲では、敵航空機の撃墜に成功し、敵の兵器に関する情報を押収することで戦果を挙げました。その後1941年には太平洋戦争に突入し、上海方面での船団護衛や哨戒の任務を担当しました。

栂の艦歴を振り返ると、1945年1月15日、高雄近海で米国の空母艦載機の攻撃を受けて沈没しました。この出来事は、当時の戦局の厳しさを物語っており、栂の運命を決定づけるものでした。

艦の指揮を執った艦長たちも、栂の歴史には欠かせない存在でした。艦の艤装員長として最初に任命されたのは公家種次少佐であり、彼の指揮の下、艦は初期の運用がなされました。その後、栂は多くの艦長によって指揮され、各時代の戦況に応じた運用が行われました。たとえば、河原金之輔少佐は1924年から1925年にかけて艦長として活動し、また1930年代後半には橋本金松大尉や西野繁少佐が艦長を務めました。これらの指揮官たちは、それぞれの時期において艦の運用や戦術を大きく影響しました。

栂の詳細な艦歴や艦長の一覧は、参考文献として挙げられた多くの資料に記されています。特に片桐大自著の『聯合艦隊軍艦銘銘伝』や、外山操の『艦長たちの軍艦史』が有名です。これらの資料では、艦の設計から戦歴、さらには艦長の任期や功績までが網羅的に整理されており、栂という艦の歴史を知るための重要な手引きとなります。

このように、栂は日本海軍の歴史において重要な役割を果たした艦であり、その功績や艦長の指導力は、多くの歴史家や軍事ファンにとって興味深い研究テーマとなっています。

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