栄 (つくば市)

茨城県つくば市栄

栄（さかえ）は、茨城県つくば市に位置する地区であり、郵便番号は305-0013です。

地理

つくば市の東部に位置する市街地であり、市街地の北東には桜川が流れています。桜川の対岸は土浦市となります。

歴史

古代

古代の常陸国の時代、上境、中根、土器屋村（栄）、横町、松塚、柴崎、上野の七つの村は、河内郡（後の菅田郷）の北の端、筑波郡との境界に位置し、「境郷」として一つの郷を形成していました。

中世

1300年代、土器屋村（かわらけや）は、小田氏の時代に土器作りを生業とする人々がいたことが地名の由来とされています。地理的には、土浦田中の八幡神社からつくば市玉取の一ノ矢八坂神社を結ぶ一ノ矢道の途中に位置していました。
鎌倉時代から戦国時代にかけて、土器屋村は小田氏の領域に属していました。村の南部に位置していた東福寺（尼寺があり、現在の松塚地区に移転）は、旧桜村中央公民館（交流センター）の場所にありました。また、土器屋村には蓮華寺と吉祥寺（場所は調査中、中根村側にあったとされ、現在の神明神社周辺と推測）と宝壮（蔵）寺（場所は調査中）、中根村には慈恩寺、横町には心寿院（場所は調査中）がありました。東福寺は、南北朝時代末期に小田氏の勢力が籠ったため、佐竹氏の焼き討ちにより消失しました。
土器屋村の中心にあった蓮華寺は、現在では蓮華塚と呼ばれる石塚のみが残っています。もとは広い境内を持つ禅寺であり、その頃には小田の郷士が境内に屋敷を構えていましたが、小田城が落城した後、（土器屋村以外の）七つの村の農民によって土地を奪われ、その手に渡ったという言い伝えがあります。

近世

江戸時代には、結城秀康や土屋家、松平信興などの土浦城主の所領となり、金田村、松塚村、中根村、上境村、横町村、土器屋村は、七郷に分割された行政区分のうち、田中庄新治郡（西郷）に属しました。
当時の石高から見ても、土器屋村は近隣の村の1/4から1/2程度の比較的小さな集落でした。これは、小田時代（1300年代半ばから1500年代後半）に小田郷士の屋敷や禅寺、土器作りの職人たちがいた村であり、その後も小田氏の恩賞により藤沢村から移り住む者、江戸時代には中根村や上境村から土地を買って移り住んだ農民がいたものの、二十数軒に留まり、農村としての歴史は比較的浅かったと考えられます。

近代

1871年（明治4年）の廃藩置県後は土浦県に属し、同年11月に新治県が成立した後は新治県に属しました。1882年（明治15年）、土器屋村が属する戸長役場は金田村に置かれていました。
1889年（明治22年）には、新治県に栄村、九重村、栗原村の三つの村が作られました。土器屋村が属する栄村の最初の戸長役場は中根村に置かれました。
この時代には東京で事業を起こす者も少なくなく、特に土器屋村の名主や栄村長を務めた家は財を成し、その後は土浦や東京に住居を移し、現在ではこの土地とのつながりはほとんどないようです。
栄と藤沢新田を結ぶ桜川に架けられた現在の鉄筋コンクリート製の栄利橋は、1978年（昭和53年）に建設されました。明治時代後期に木製の橋が架けられたのが最初とされていますが、土器屋村にあった歴史的な石塚などが土台として使われたという言い伝えが残っています。

現代

旧栄村の大字土器屋（かわらけや）は、1955年に合併により桜村所属となり、さらに大字栄に改名されました。1987年に合併によりつくば市大字栄となりました。
毎年、神明神社では7月下旬に祇園祭りが開催されています。昔の祭りでは、各家が競って幟（のぼり）を上げる風習がありました。
現代の栄については、以下のリンク先で詳しいレポートが公開されています。
https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/55076/files/FS_19-1.pdf

人口と世帯数

2020年（令和2年）4月1日現在の世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数：データなし
人口：データなし

小・中学校の学区

市立小・中学校に通う場合の学区は以下の通りです。

小学校：データなし
中学校：データなし

交通

コミュニティバス

つくバス
小田シャトル

施設・店舗等

つくば市立桜幼稚園
桜郵便局
むつみ農園
かわらけや（観光農園）

史跡

蓮華塚（1200年頃に田島（栄児童館周辺）から出土したとされる弘法大師（真言宗）の秘仏である薬師如来（医王）の仏像を本尊とする蓮華寺という禅寺があった。）
神明神社（土器屋村の名主が持っていた神名箱を祀って作られた神社で天照大御神を祀る。明治時代になってから横町の八坂神社が本宮となっている。）
* 薬師寺（言い伝えでは明治時代に神明神社を薬医堂として改め近隣住民により私設されたもの。）

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