栄寿院

栄寿院（国姫）：激動の時代を生きた姫君

栄寿院（えいじゅいん）、本名国姫（くにひめ）は、文禄4年（1595年）に誕生し、慶安2年2月29日（1649年4月10日）に55歳で亡くなった女性です。彼女は、安土桃山時代から江戸時代初期という激動の時代を生き、二度の結婚と多くの子を儲けました。

生い立ちと最初の結婚

栄寿院は、姫路藩主・本多忠政の長女として生まれました。母は松平信康の次女である熊姫です。慶長10年（1605年）10月、彼女は曽祖父にあたる徳川家康の養女となり、福島藩主・堀忠俊に嫁ぎました。しかし、慶長14年（1609年）春、忠俊が改易となったため、二人は離縁することとなりました。

有馬直純との再婚とその後

離縁後、栄寿院は慶長15年（1610年）11月に延岡藩主・有馬直純に再嫁しました。この際、彼女は化粧料として美濃国北方に1100石を賜っています。直純との間には、康純、本多政勝室、吉子（本多政勝養妹）、長子（秋元富朝室）、純政の二男三女を儲け、幸せな家庭を築きました。

死とその後

栄寿院は慶安2年（1649年）に55歳で亡くなり、江戸の天徳寺に葬られました。彼女の法名は栄寿院長覚秋岳祐円大姉です。

栄寿院の生涯から見えるもの

栄寿院の生涯は、戦国時代から江戸時代への移行期における大名家の女性の役割と運命を垣間見せてくれます。政略結婚、夫の改易による離縁、そして再婚。彼女の人生は、時代の波に翻弄されながらも、力強く生きた女性の姿を伝えています。

参考文献

幕府祚胤伝（『徳川諸家系譜』第2巻）続群書所類聚刊行会
寛政重修諸家譜
華族系譜8
徳川・松平一族の事典

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