栄養費

栄養費（プロ[[野球]]）

栄養費とは、プロ[[野球]]球団が、入団前のアマチュア選手に対して栄養摂取の支援を名目として渡す金銭のことです。

概要

1950年に制定された日本学生[[野球憲章]]では、学生野球選手がプロ[[野球]]チームから利益を得ることを禁じています。2005年6月には、日本[[野球機構]]が「新人選手獲得活動において、利益供与は一切行わない」とする倫理行動宣言を発表し、プロ[[野球]]側も契約前にアマチュア選手への金銭供与を禁止しました。ただし、宣言以前は社会人野球選手については、プロ[[野球]]チームから利益を得ることへの明確な禁止規定はありませんでした。

ドラフト会議導入以前は、プロ[[野球]]チームからアマチュア選手への金銭供与が広く行われていました。ドラフト制度導入後は、上位指名が見込まれる選手でも、他球団に先に指名されたり、競合したりする可能性があり、入団が確実ではないため、金銭供与は減っていきました。しかし、1993年の逆指名制度導入により、ドラフト上位指名が見込まれる選手候補との契約が事実上可能になったため、再び金銭供与が活発化しました。

2004年には、明治大学野球部の一場靖弘選手に対し、複数球団が金銭を渡していたことが発覚し、大きな騒動となりました（一場事件）。一場選手は明治大学野球部を退部し、球団幹部が辞任するなどの処分が下されました。この事件以降、栄養費問題は特に厳しく問題視されるようになっています。

終戦直後の食糧難の時代には、経済的な理由で野球を諦めざるを得ない選手を支援するという側面もありました。

栄養費の支給は、あくまで選手を支援するための行為とされており、受け取った選手に球団への入団義務は生じません。実際に、長嶋茂雄選手が南海ホークスから栄養費を受け取りながら、読売ジャイアンツに入団した例もあります。

脚注

* 一場事件

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