栗栖利蔵

栗栖 利蔵（くりす としぞう）

日本の実業家。

1960年9月29日、富山県高岡市に生まれる。地元の富山県立高岡南高等学校を卒業後、横浜市立大学商学部で経営学や商学を学び、1983年に同学部を卒業した。

大学卒業後、1983年にヤマト運輸株式会社に入社。入社以来、同社の主要部門でキャリアを積み重ねた。

特に経理・財務部門での経験が長く、1995年には経理部主計課長に昇進。会計の中枢業務に深く関与した。その後、1999年には経理部長に就任し、組織全体の会計システムや予算管理などを統括する立場となる。さらに、2002年には財務部長に就任し、資金調達や投資戦略、リスク管理といった企業の財務戦略全般を担った。この間の経理・財務分野での経験は、その後の経営判断において重要な基盤となった。

2005年にはグループ経営戦略本部部長に異動し、企業グループ全体の経営戦略策定に携わるとともに、ヤマトホールディングスの財務担当シニアマネージャーも兼任。グループ全体の財務戦略や資本政策に関与した。

2006年には執行役員に就任し、経営陣の一員としてより広範な企業運営に関わることとなった。2007年にはヤマトマネージメントサービスの代表取締役社長を兼務し、グループ内の経営支援サービス分野での手腕を発揮した。

2012年にはヤマトフィナンシャルの代表取締役社長に就任すると同時に、ヤマトホールディングスの執行役員も兼務。フィナンシャル事業の責任者として、決済サービスなど物流と連携した金融関連事業を牽引した。

そして、2017年にはヤマト運輸株式会社の代表取締役専務執行役員に就任し、宅配事業の中核を担う同社の経営の中枢に入り込んだ。

2019年からは、ヤマト運輸株式会社の代表取締役社長としてトップに就任。この時期、社会的な関心が高まっていた宅配事業における労働環境の問題などに対応するため、働き方改革を重要な経営課題として位置づけ、その推進に尽力した。従業員の負担軽減やサービス品質の維持・向上を目指し、多様な施策を実行した。

2021年にヤマト運輸株式会社の代表取締役社長を退任し、専務執行役員に就任。機能本部統括およびプロフェッショナルサービス機能担当として、引き続き同社の経営に貢献している。

経理・財務畑での豊富な経験と、グループ会社の経営経験を経て、ヤマト運輸本体のトップとして社会的な課題に対応した働き方改革を主導するなど、物流業界の重要企業において多岐にわたる要職を歴任した実業家である。

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