栗生顕友

栗生顕友（くりゅう あきとも）は、南北朝時代に南朝方として活躍した武将であり、新田義貞の側近としてその名を歴史に刻んでいます。後世には、新田四天王の一人に数えられ、その武勇と知略は高く評価されています。

栗生氏の出自と顕友の台頭

栗生氏は、清和源氏の流れを汲む河内源氏、さらにその分流である足利氏の庶流、源姓畠山氏につながる家系です。顕友は、上野国（現在の群馬県）出身で、新田義貞に早くから仕え、その側近として活躍しました。

建武の新政と北国への転戦

建武の新政が崩壊した後、顕友は新田義貞に従い、恒良親王や尊良親王を奉じて北国へ向かいます。この時期、南朝勢力は劣勢を強いられていましたが、顕友は義貞を支え、数々の戦いでその能力を発揮しました。

金ヶ崎城入城の策

『太平記』によれば、顕友は越前金ヶ崎城の包囲戦において、卓越した策略をもって北朝軍を欺き、新田義貞の金ヶ崎城への入城を成功させました。この戦いで、顕友は自ら進言した策を用いて、敵軍を混乱させ、義貞軍を安全に城内へ導いたと伝えられています。この功績は、顕友の知略の高さを物語るものとして、後世に語り継がれています。

栗生顕友の人物像

栗生顕友は、単なる武勇だけでなく、優れた戦略眼を持ち合わせていた武将でした。新田義貞の側近として、その信頼は厚く、多くの戦でその能力を発揮し、南朝方の戦いを支えました。彼の活躍は、南北朝時代の激動期における武将の典型であり、その忠義と武勇は、後世においても高く評価されています。

参考文献

『埋み火はまた燃える―新田一族銘々伝』（新田純弘著 さきたま出版会 2000年）
『太平記』（巻十七 十六騎勢入金崎事）

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