株式併合

株式併合とは

株式併合とは、会社法における法律用語で、複数の株式をまとめて一つの株式にすることを指します。これは、会社が発行している株式の数を減らす効果があります。

会社法上の規定

会社法では、株式併合に関する基本的な規定が第180条から第182条に定められています。株式併合は、主に以下の目的で行われます。

株式管理コストの低減: 株式数が減少することで、管理にかかるコストを削減できます。
株式交換や株式移転の準備: 企業再編において、株式交換や株式移転を行う際、事前に株式併合を行うことで手続きを円滑に進めることができます。

株式併合と株主への影響

株式併合は、株主の保有する株式数を減少させるため、株主にとって以下のような影響があります。

単元未満株式の発生: 株式併合によって、株式の売買単位である単元に満たない株式が発生することがあります。これにより、株主は株式の売買がしにくくなったり、インターネット取引が制限されたりする場合があります。
端数の発生: 株式併合の結果、1株に満たない端数が生じることがあります。かつては端株制度がありましたが、会社法の制定により廃止されたため、端数部分については、その経済的価値に応じて金銭が交付されます。しかし、これは株主にとって不利益となることがあります。

株主総会での決議

株式併合は株主にとって不利益となる可能性があるため、実施には株主総会の特別決議（会社法第309条第2項第4号）が必要です。また、取締役は株主総会において、株式併合を行う理由を説明する義務があります（会社法第180条第4項）。

スクイーズアウト

また、株式併合は、特定の大株主以外の株主を排除する、いわゆるスクイーズアウトの目的で利用されることもあります。この場合、少数株主の株式を端数化させ、株主としての権利を失わせることが可能になります。

株券発行会社の手続き

株券発行会社が株式併合を行う場合、株券を提出しなければならない旨を公告し、株主や登録株式質権者には個別に通知する必要があります。ただし、当該株式の全てについて株券を発行していない場合は、この限りではありません（会社法第219条）。

登記手続き

株式併合による発行済株式総数の変更登記を行う際には、株主総会議事録を添付する必要があります。ただし、株主に通知したことを証明する書類は添付不要です。

売買単位の集約

全国証券取引所では、株式の売買単位を100株に統一する計画を進めてきました。2018年10月1日には、全ての銘柄の売買単位が100株に統一されました。これに伴い、売買単位が100株を超えていた企業の中には、投資単位を調整するために株式併合を実施したところもあります。

株式併合と株式分割

株式併合は、株式分割と対になる概念です。株式分割は、株主の持つ株式数を増加させる効果がありますが、株式併合は、株主の持つ株式数を減少させる効果があります。

まとめ

株式併合は、企業にとって株式管理の効率化や再編の準備に役立つ一方で、株主にとっては単元未満株や端数の発生により、取引や権利行使に制約が生じる可能性のある行為です。そのため、株式併合の実施には、株主総会での慎重な議論と決議が求められます。

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