根室港駅

根室港駅（廃駅）

根室港駅は、かつて北海道根室市海岸町に存在した日本国有鉄道（国鉄）根室本線の貨物駅です。1934年に根室駅から分岐する貨物支線の終点として開業し、1965年に廃止されました。

歴史

根室港駅の歴史は、1921年に根室本線が根室駅まで開通してから13年後の1934年に始まります。根室駅からの貨物支線が開業し、根室港駅は貨物駅として営業を開始しました。

第二次世界大戦前は、根室や千島からの海産物（鮮魚貝類、蟹缶詰など）や硫黄鉱石などの積み出し拠点として機能していました。一方で、根室や千島で消費される生活物資（木材、石炭、塩など）の受け入れも行っており、地域の経済を支える重要な役割を担っていました。戦中には、軍需物資の取り扱いも増加しました。

しかし、千島や北方領土を喪失した戦後になると、根室港駅を取り巻く状況は変化します。発送される貨物は根室で水揚げされた鮮魚貝類や野菜が中心となり、到着する貨物は塩、木材、缶詰の空き缶などが主となりました。漁獲量の減少、冷凍技術の進歩、トラック輸送の普及などにより、鉄道貨物の需要が低下したため、1965年に根室駅構内に貨物側線が新設され、根室港駅は貨物支線とともに廃止されました。

年表

1934年（昭和9年）8月12日：鉄道省根室本線根室駅 - 根室港駅間の貨物支線開業に伴い開業。貨物のみ取り扱い。
1942年（昭和17年）4月1日：荷物取り扱い開始。
1944年（昭和19年）8月1日：荷物取り扱い廃止。
1965年（昭和40年）10月1日：貨物支線廃止（根室駅側線での貨物取扱開始）により前日の営業をもって廃止。

駅名の由来

駅名はその名の通り、根室港に面していることに由来します。

駅周辺

根室港
根室漁業協同組合
金刀比羅神社

隣の駅

日本国有鉄道

根室本線（貨物支線）

根室駅 - 根室港駅

参考文献

直轄港湾工事年報. 昭和30年度 附図 運輸省港湾局出版 67頁 根室港平面図 - 国立国会図書館デジタルコレクション（図の作成年は不明。根室漁港横に支線が記載）
1952/10/07（昭和27年）撮影航空写真 USA-M153-37 - 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス（右下に根室駅。根室港駅には幾つかの側線が認められる）

関連項目

日本の鉄道駅一覧
* 廃駅

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