根岸住宅地区

根岸住宅地区について

根岸住宅地区（ねぎしじゅうたくちく）は、神奈川県横浜市中区、南区、そして磯子区に位置する在日アメリカ海軍専用の住宅施設です。この地区は2004年に日米間で返還合意がなされ、2019年11月には日米合同委員会によって共同使用が合意されました。ところが、2014年には教会や学校が閉鎖され、2015年には居住者が退去し、跡地利用については課題が残っています。

歴史と発展

1947年にアメリカ陸軍工兵隊によって建設されたこの住宅地区は「X住宅地区」と命名され、当初は米陸軍が管理していましたが、その後米海軍の管轄になり、名前も根岸住宅地区に変更されました。この地区は、米軍関係者の間で「Negishi Heights」という通称で知られていました。
この地区には、住居385戸の他に消防署、教会、小学校、保育園、独身兵士宿舎、レストラン、プール、診療所などがあり、その住居番号は500から始まります。この番号は、1982年に返還された別の住宅地区に由来しています。

慢性的な住宅不足を解消するため、根岸地区の返還に際し、逗子市と横浜市に当たる地域への新たな住宅建設が条件に加えられました。2015年12月には、米海軍関係者とその家族を除く居住者が全員退去しており、返還に向けた一歩が踏み出されました。

日本人の居住問題

2015年2月時点で、根岸住宅地区の周囲には2世帯7人の日本人が住んでいました。防衛省によると、このように米軍施設内で日本人が生活している例は他にはありません。
しかし、米軍施設内に居住する日本人にとっては、厳しい生活環境が強いられています。2013年には、居住者のうちの二人が、長年にわたる隔離状態の日常生活に対して国に慰謝料を求める訴訟を起こしました。
この訴訟は、外出や帰宅時に通行証の提示を強いられるほか、利用可能な宅配便やタクシーに制限があることを理由にしており、さらにはイラク戦争の際には、仕事の後に深夜まで帰宅ができない状況に不満が募っていました。
さらに、現在では住宅地区に隣接する3箇所のゲートが閉鎖され、住民にとっては通行が一層困難になっていると言われています。

現在の状況と検討

根岸住宅地区はその総面積が429,259 m²に及び、その中で国有地が63.5%、市有地が0.1%、民有地が36.4%を占めています。このため、土地利用に関する議論は重要なテーマとなっています。横浜市立大学医学部の移転候補地にも挙げられているなど、地域の将来についての考慮が進められています。

このような経緯を持つ根岸住宅地区は、現在も様々な課題に直面していますが、今後の土地利用計画や住民の生活の質の向上に向けた取り組みが期待されています。

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