格闘技通信

格闘技通信の概要

格闘技通信（かくとうぎつうしん）は、ベースボール・マガジン社が発行した格闘技の専門雑誌であり、略称として「格通（かくつう）」とも呼ばれています。この雑誌は1986年に創刊され、2010年までの24年間にわたり発行されました。特に、格闘技が好きなファンに向けて、試合の観戦ガイドや選手へのインタビューを主体とした情報を提供しました。

創刊からの歴史

この雑誌は、当初は『週刊プロレス』の増刊号として1986年にスタートしました。その後、1987年からは月刊として発行されるようになり、1992年からは月に2回の頻度に変更されましたが、2008年に再び月刊に戻りました。

創刊当初はプロレス関連の記事が多く、特にUWF（ウルティメイト・ファイティング・ウエブ）、柔道やサンボなどの報道が中心とされました。徐々に多様な格闘技の大会情報が増え、多くのファンに支持されるようになったのです。

編集長の変遷

格闘技通信の歴代編集長は、時代によって異なるスタンスを持っていました。創刊時の編集長は杉山頴男で、後に谷川貞治が1990年代に就任すると、K-1や他の人気イベントに大きく関与しました。谷川編集長の決定により、競技を行わない武術を原則として排除し、観戦情報中心にシフトしたことが強調されます。

その後、ターザン山本、本多誠、朝岡秀樹などが編集長を務め、さまざまな方針転換が行われました。特に朝岡が編集を 맡った時代には、観戦派にも対応する内容に変わり、誌面のビジュアルが重視されました。

格闘技通信の特徴

格闘技通信は、観戦ガイドとしての立場を持っています。試合結果だけでなく、選手のインタビューやコラムも豊富に掲載されており、読者は多角的に情報を得ることができました。さらに、他の格闘技雑誌と差別化された点は、技術や実践方法よりも、観戦体験の向上に重きを置いたことです。実際、雑誌内には新たな競技に関する特集や、観戦の魅力を引き出す内容が多数公開されてきました。

地位と影響

1990年代には、格闘技業界におけるオピニオン誌としての立場を確立し、多くの読者から信頼を得てきました。FIGHTING TV サムライの開局によってもその影響が増し、その後の競技の発展や試合の動向に大きく寄与したのです。

休刊とその後

しかし、2008年からは月刊に戻り、僅か2年後の2010年に休刊を迎えることになりました。最終号は2010年4月号で、以降は携帯サイト「格通モバイル」として情報を発信することが告知されました。このように、様々な変遷を経て格闘技通信は多くのファンに愛された雑誌としてその歴史を閉じました。今もなお、格闘技通信がもたらした影響は無視できない存在となっており、格闘技ファンにとっての重要なリソースとなり続けています。

もう一度検索