桂三枝のチキチキ王国

桂三枝のチキチキ王国：国民参加型ラジオ番組の全貌

1994年10月から1996年9月まで、TBSラジオとABCラジオで放送されたラジオ番組『桂三枝のチキチキ王国』。日清食品の一社提供で、そのタイトルにもなっている『チキンラーメン』に由来する『チキチキ』という響きは、番組の軽快な雰囲気を象徴しています。キャッチフレーズは『お耳のお夜食』。

番組は、メインパーソナリティの桂三枝（現・六代桂文枝）を“国王”、リスナーを“国民”とするユニークな設定で展開されました。リスナーはペンネームやラジオネームではなく、“国民ネーム”を使用。女性アシスタントチームは「チキンズ」と呼ばれ、番組を彩りました。

番組の中核を成していたのは、リスナーからのネタ投稿です。投稿ネタの面白さや採用回数に応じて、三枝の裁定で国民の身分がステップアップしていくシステムが、常連リスナーの増加に繋がりました。村長、町長、市長、大臣…とランクが上がるにつれ、リスナーの番組への愛着も深まっていったことでしょう。興味深いことに、当時人気を博していた『シンデレラドリーム ミッドナイト☆パーティー』の常連リスナーも参加しており、パーソナリティを務めた黒住祐子や石本祥もこの番組に出演していました。同じ国民ネームを使用するリスナーも多かったようです。

はがきやFAXはTBSラジオで受け付けられ、FAX番号の下4ケタが「0534」だったことから、「レッツゴーサンシ」という覚えやすい語呂合わせで紹介されていました。1996年8月には大阪・なんばグランド花月で公開録音が行われ、番組の人気の高さがうかがえます。

放送時間帯は、TBSラジオとABCラジオで異なっていました。TBSラジオでは、1994年10月～1995年3月が毎週日曜日21:00～21:55、1995年4月～1996年9月が毎週日曜日22:05～23:00。ABCラジオでは、1994年10月～1995年3月が毎週日曜日21:00～21:55、1995年4月～1996年9月が毎週日曜日23:40～24:35でした。ナイター中継の延長により、TBSラジオのみ放送休止となった回もあったようです。ABCラジオは放送時間の繰り下げ体制をとっていたため、TBSラジオとは異なる対応をとっていたことが分かります。

番組終了後の1996年10月からは、同じ日曜日の朝に『桂三枝のサンデーチキチキミュージック』がスタート。こちらも日清食品提供で、三枝と進藤晶子アナウンサーがパーソナリティを務めました。

番組を支えたパーソナリティは、桂三枝（現・六代桂文枝）の他に、チキンズと呼ばれる女性アシスタントチームがいました。武内由紀子（1995年9月頃まで）、パリー木下（本名：木下代理子）、黒住祐子、石本祥らが番組を盛り上げました。

数々の個性的なコーナーも番組の魅力でした。

王国の掟: 「〜といえば…」と複数の項目を挙げた後、三枝が「何か忘れてやしませんかってんだ〜」と突っ込む、出演者全員で声を合わせる特徴的なコーナー。
女の子のひ・み・つ: スタッフがリサーチした情報を元に、リスナーと電話をつないで当時の女子の意識調査を行うクイズコーナー。チキンズが中心となって進行しました。
チキチキ王国イメージクラブ: エッチなことを連想させるような導入で、実は全く異なるオチのネタを募集する、捻りの効いたコーナー。
チキンラーメン杯争奪コーナー: 大賞には賞金とチキンラーメン1ケースが贈られました。
ひとりごと大賞: 物や動物になりきっての独り言を募集する、想像力を掻き立てるコーナー。
ツッコミミュージック: 歌詞に突っ込みを入れる、音楽と笑いを融合させたコーナー。

番組には様々なエピソードが残されています。例えば、番組宛てのはがきがTBSテレビの『どうぶつ奇想天外！』のプレゼントクイズの箱に混ざり、みのもんたがそれを引いてしまったというハプニングは『オールスター赤面申告！ハプニング大賞』で放送されました。

『桂三枝のチキチキ王国』は、独自の番組設定、リスナー参加型のシステム、個性的なコーナーの数々によって、多くのリスナーを魅了したラジオ番組だったと言えるでしょう。

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