桂春団治 (2代目)

2代目 桂春団治 (かつら はるだんじ)

概要

2代目桂春団治（本名:河合浅次郎）は、1894年8月5日生まれ、1953年2月25日に逝去した上方落語家です。彼は師匠である初代桂春団治のスタイルを引き継ぎ、本格的な滑稽噺を演じることで高い人気を誇りました。特に、大阪・朝日放送ラジオの特別番組『春団治十三夜』は、東西を通じて現存する最古の落語のライブ録音として注目されています。彼の長男は3代目桂春団治として、芸を継承しました。

来歴

桂春団治の生い立ちは波乱に満ちています。彼は病院の院長を父に持つ家庭に生まれましたが、父は日清戦争で戦死し、母は再婚後に病に倒れるなどして、彼は非常に困難な幼少期を過ごしました。浅次郎は16歳の頃から芸事に興味を持ち、1910年に素人落語を始めました。その後、19歳で佐賀家圓助の一座に入門し、演技キャリアをスタートさせました。

落語家入りと名跡襲名

彼が落語家になる経緯には二つの説があります。ひとつは、初代春団治に心情を明かし、その後見込まれて入門したというもの。もうひとつは、一座での演技が評価されて直接スカウトを受けたという説です。1920年に桂春蝶（はるちょう）として入門し、福々しい外見から桂福團治に改名。その後、初代春団治の死後、1934年に2代目桂春団治を名乗ることになりました。

初代からの名跡を受け継ぐ一方で、彼は金銭的な問題にも直面しました。初代の多額の借金を相続したことで、彼は吉本興業との間に確執を生じました。

晩年

1945年には訴訟が終わり、寄席に復帰。1950年代には、映画の出演やラジオ番組への登場など多忙な日々を送っていました。1951年に録音された『春団治十三夜』は、観客を前に古典落語を披露するスタイルであったことから、非常に貴重な音源です。最後の興行が行われた1953年1月には、体調不良が悪化し、観客の前で中断せざるをえませんでした。その後、彼は早逝してしまいます。

芸風と評価

彼の独特な話芸は高く評価されており、多くの専門家が「初代よりも上手い」と評しています。長年にわたり、関西の名人として親しまれました。特に、盛り込まれる人物描写の細やかさや舞台での面白さは、彼の特長として愛されました。また、出囃子に関しても彼は「野崎」にこだわり、後の代もこの出囃子を受け継ぐことになった歴史があります。

彼の遺産

2代目桂春団治の亡き後、彼の影響を受けた弟子たちがその名を引き継ぎ、上方落語に新たな息吹をもたらしました。彼の存在は、今でも多くの落語家やファンの心に残っています。実子の3代目桂春団治がその名を受け継ぎ、彼の遺志をさらに発展させています。これにより、桂春団治の名は今後も語り継がれていくことでしょう。

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