桃太郎神社 (犬山市)

愛知県犬山市栗栖の桃太郎神社：桃太郎伝説と自然が織りなす聖地

愛知県犬山市栗栖に鎮座する桃太郎神社は、全国的にも珍しい桃太郎伝説にゆかりのある神社です。境内には、桃の形をした鳥居や、桃太郎、鬼、そして家来である犬、猿、雉をモチーフとした数々のコンクリート像が配置され、独特の雰囲気を醸し出しています。これらの像は、コンクリート群像作家として知られる浅野祥雲氏による作品であり、その力強い造形美は多くの参拝者を魅了しています。

桃太郎伝説発祥の地と、地域の信仰

この神社の周辺地域には、古くから桃太郎伝説が伝承されています。桃太郎が生まれた地、そして鬼退治に出発した地と伝えられており、神社は地元住民にとって子どもの健康を祈願する大切な場所となっています。毎年5月5日には桃太郎祭りが開催され、野口雨情作詞の「桃太郎音頭」に合わせて行われる「桃太郎おどり」は、地域の活気あふれる様子を象徴しています。

境内と周辺環境：自然と歴史が調和する空間

神社への参道は、一の鳥居、二の鳥居と続き、石段を上がると、象徴的な桃型の鳥居と拝殿が現れます。境内は緑豊かで、静寂に包まれた空間が広がっています。浅野祥雲によるコンクリート像は定期的に修復されており、大切に保存されています。これらの像は、まるで桃太郎の世界観を具現化したかのように、境内を彩っています。特に、桃から生まれたばかりの桃太郎の像は、この神社の象徴と言えるでしょう。また、おばあさんが洗濯をしていたとされる「洗濯岩」も保存展示されています。

境内には、桃形鳥居をくぐると悪運が去り、病や災いがなくなるという言い伝えが刻まれた桃形鳥居や、「悪運を食べるサル」の像、「鬼の目にも涙」の像など、ユニークな像が点在しています。さらに、子どもたちが遊べるように作られた「やさしい鬼」の像などもあり、大人から子どもまで楽しめる工夫が凝らされています。かつては宝物館もありましたが、放火により焼失し、現在は新築された建物で、桃太郎伝説にまつわる資料などが展示されています。

神社周辺は桃太郎公園として整備されており、桜の名所としても知られています。近隣にはお土産屋なども立ち並び、賑わいを見せています。また、木曽川が流れ、風光明媚な景色も楽しめることから、観光地としても人気があります。木曽川は志賀重昂によって「日本ライン」と名付けられており、その美しい風景は多くの観光客を魅了しています。河原には、チャートの露頭があり、地質学的にも貴重な場所となっています。広大な河原は芝生の広場（栗栖園地）として整備され、キャンプ場としても利用されています。

アクセス

公共交通機関では、名鉄犬山線犬山遊園駅からタクシーで約10分、徒歩の場合は30分以上かかります。自家用車の場合は、一の鳥居前に無料駐車場があり、便利です。

まとめ

桃太郎神社は、桃太郎伝説と豊かな自然、そして浅野祥雲の芸術が融合した、魅力あふれる場所です。歴史と文化、そして自然を満喫できる、まさに隠れた名所と言えるでしょう。愛知観光の際には、ぜひ訪れてみてください。

もう一度検索