桐敷真次郎

桐敷眞次郎について

桐敷眞次郎（きりしき しんじろう、1926年8月31日 - 2017年12月7日）は、日本の建築史家および建築評論家として広く知られています。東京府東京市神田区東神田に生まれた彼は、東京都立大学の名誉教授であり、工学博士としての学識を持つ学者です。彼の業績は日本の建築文化の発展に大きな影響を与えました。

経歴と教育

桐敷は、1939年に東京市浅草区にある柳北尋常小学校を卒業した後、1944年には東京高等師範学校附属中学校を経て、1947年に第一高等学校の理科甲類を卒業しました。1950年には東京大学第二学部建築学科を卒業し、さらには同大学の第一工学部建築学科大学院を中退。1955年から1957年にかけてロンドン大学コートールド美術研究所で研究生として学び、1959年には一級建築士の資格を取得しました。そして1962年には東京大学にて工学博士号を取得しました。

職歴

桐敷の職歴は、1953年から始まります。旧・東京都立大学工学部建築工学科にて助手を務め、1960年には助教授に就任。1971年からは教授として教鞭を執り、1990年には東京都立大学の名誉教授となりました。また同年から1997年まで東京家政学院大学家政学部住居学科でも教授として活躍しました。

受賞歴

彼の卓越した業績は、いくつかの賞によって認められています。1986年には昭和61年度日本建築学会賞（論文賞）、同年に第10回マルコ・ポーロ賞（イタリア文化会館）を受賞しました。さらに、2012年には平成24年度日本建築学会賞大賞も受賞しています。

研究活動

桐敷は、敗戦後の混乱した時代に西洋建築史の研究に注力しました。当時、海外渡航が難しい状況下で、先輩と共にさまざまな方法で情報を収集し、研究に取り組む姿勢がありました。この中で、桐敷は近世および近代に焦点を当てた研究を行い、他の研究者とも協力しながら成果を上げていきました。

西洋建築史に関する業績

桐敷は多くの書籍の編纂、監修、翻訳を行い、西洋建築史に関する広範な知識を普及させました。主な著作には、『近代建築とは何か』や『新訂建築学大系5・西洋建築史（近世）』、さらには『西洋建築史図集・改訂新版』などがあります。また、1979年から1986年にかけての共同研究や翻訳も数多く手がけています。

日本建築史と文化財保護

日本の建築に関する研究や翻訳も手がけており、『明治の建築』や『大浦天主堂』など、国内外の文献を通じて日本の建築遺産に対する理解を深める努力をされました。また、文化財保護についても多くの論説を執筆し、耐久性や建築技法に関する専門的な見解を示してきました。

結論

桐敷眞次郎の業績は、日本における建築の認識を深めるだけでなく、後の世代に多くの知見を残すこととなりました。彼の研究や教育活動は、今なお多くの建築家や研究者たちに影響を与えています。

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