桑原厚和

桑原 厚和

概要

日本の生理学者。消化管生理学、神経科学、獣医学を主な専門分野とする。農学博士（東京大学）。岩手大学、オハイオ州立大学医学部、生理学研究所などを経て、静岡県立大学にて助教授、教授、研究所長、大学院専攻長など多岐にわたる役職を歴任し、教育・研究活動を展開した。定年退職後は、京都府立医科大学大学院医学研究科特任教授、立命館大学総合科学技術研究機構客員教授として活動している。

経歴

桑原厚和は、鹿児島大学農学部獣医学科にて獣医学を修め、1976年に卒業した。その後、東京大学大学院農学系研究科獣医学専攻に進学し、1981年に博士課程を修了して農学博士の学位を取得した。博士論文の題目は、胃壁内受容器を介する胃運動の反射性調節に関する研究であった。

研究者としての歩みは、1981年に岩手大学農学部獣医学科の生理学教室助手として始まった。1985年にはアメリカ合衆国のオハイオ州立大学医学部にて博士研究員として研究に従事した。帰国後、1988年からは岡崎国立共同研究機構の生理学研究所で助手を務めた。

1996年、静岡県立大学に活動の場を移し、大学院生活健康科学研究科の助教授に着任した。翌年には環境科学研究所の助教授も兼任するようになった。2002年には環境科学研究所の教授となり、こちらが主たる所属となったが、大学院生活健康科学研究科の教授も引き続き兼務した。2006年には大学院生活健康科学研究科環境物質科学専攻の専攻長も務めている。

静岡県立大学では組織再編も経験した。2012年には大学院の再編により、新設された食品栄養環境科学研究院の教授を兼務。2013年には環境科学研究所長に就任した。翌年、環境科学研究所の改組に伴い、2014年より食品栄養科学部に所属し、環境生命科学科の教授として教育・研究の中心を担った。大学院食品栄養環境科学研究院の教授も並行して務めている。2017年3月末をもって、静岡県立大学を定年退職した。

静岡県立大学在職中の2016年からは、京都府立医科大学大学院医学研究科の特任教授を兼任しており、細胞生理学などを講義した。定年退職後も引き続き京都府立医科大学の特任教授を務めている。2018年からは立命館大学総合科学技術研究機構の客員教授としても研究活動に携わっている。

研究内容

研究は主に消化管生理学と神経科学、そして獣医学の領域で行われている。特に消化管に関しては、管腔内の化学物質に対する受容メカニズム、それに伴う生理作用、生体防御機能などを、病態生理学的な視点から詳細に解析している。また、生体の機能制御において、神経系、内分泌系、免疫系がどのように連携し、相互に影響し合っているかという点にも焦点を当てて研究を進めている。

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