桔梗湯

桔梗湯（ききょうとう）は、漢方医学において用いられる方剤の一つで、主に扁桃炎や扁桃周囲炎といった、喉の腫れや痛みを伴う炎症を鎮める目的で使用されます。

効果と効能

桔梗湯は、扁桃とその周囲の炎症を鎮めることで、喉の腫れや痛みを和らげる効果が期待できます。特に、以下のような症状に効果を発揮します。

喉の腫れ
喉の痛み
扁桃炎
扁桃周囲炎

構成生薬

桔梗湯は、主に以下の2つの生薬から構成されています。

1. 桔梗（ききょう）: 抗炎症作用、排膿作用があるとされ、喉の炎症を鎮め、膿を排出するのを助けます。
2. 甘草（かんぞう）: 炎症を抑える作用や痛みを和らげる作用があり、喉の炎症や痛みを緩和します。また、他の生薬の作用を調整する役割も担います。

桔梗湯エキス製剤の場合、一般的には7.5g中に、甘草3.0gと桔梗2.0gの乾燥エキス1.25gが含まれています。これらの生薬が相互に作用し、効果を発揮します。

相互作用

桔梗湯は、特定の薬剤との併用には注意が必要です。特に、以下の薬剤との併用により、偽アルドステロン症やミオパチーといった副作用が現れやすくなる可能性があります。

甘草含有製剤
グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤
ループ系利尿剤
チアジド系利尿剤

これらの薬剤と桔梗湯を併用する際は、医師や薬剤師に相談し、慎重な判断が必要です。

副作用

桔梗湯の服用により、以下の副作用が現れることがあります。

重大な副作用
偽アルドステロン症：血圧上昇、むくみ、低カリウム血症などが現れることがあります。
ミオパチー：筋肉痛、脱力感などが現れることがあります。

これらの症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、医師の診察を受けてください。

服用上の注意

桔梗湯を服用する際には、以下の点に注意が必要です。

高齢者: 生理機能が低下している場合があるため、慎重な投与が必要です。
妊産婦、授乳婦: 安全性が確立されていないため、服用前に医師に相談してください。
小児: 安全性が確立されていないため、服用前に医師に相談してください。

その他

桔梗湯と似た方剤に、桔梗石膏（ききょうせっこう）があります。桔梗石膏は、桔梗湯に石膏を加えたもので、より炎症が強く、高熱を伴う場合に用いられます。

桔梗湯は、喉の痛みや腫れを和らげる効果的な漢方薬ですが、服用にあたっては、医師や薬剤師の指示に従い、用法・用量を守ることが重要です。また、副作用が現れた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

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