桜井小太郎

桜井小太郎について

桜井 小太郎（さくらい こたろう、1870年10月5日 - 1953年11月11日）は、日本の重要な建築家であり、明治から昭和にかけて日本の建築界をリードした人物です。特に彼は、日本人として初めて英国王立建築家協会に登録された建築士として知られています。

略歴

桜井小太郎は1870年に金沢藩に生まれ、父は維新政府の官僚、桜井能監でした。これにより、彼は東京で育ちながら自然と建築に対する興味を持つようになりました。東京府中学校を卒業した後、第一高等中学校に入学しましたが、そこでの学びを終え、東京帝国大学工科大学の造家学科に進学します。在学中、彼は著名な建築家ジョサイア・コンドルの事務所で実務に触れ、自身の技能を磨きました。

1889年にはロンドン大学ユニバーシティー・カレッジの建築コースに入学し、1890年に学業を修了します。この際、彼は優秀な成績を収め、ドナルドソン賞を受賞しました。その後、プロフェッサー・ロジャー・スミスの事務所で2年間、実務経験を積み、英国王立建築家協会賞も手にしました。1893年には日本に帰国し、海軍技師としての道を歩み始めます。

業績

桜井はさまざまな建築プロジェクトに携わり、日本の近代建築の発展に寄与しました。1896年には呉鎮守府に赴任し、神戸市などの船舶関連インフラの設計にも携わりました。1913年には海軍技師を退官し、三菱地所に技師長として入社。彼は主に丸の内ビジネス街の建設に関与しました。

1923年に桜井小太郎建築事務所を設立後、関東大震災の復興事業にも力を入れ、丸の内有楽町の区画整理には副議長として関与しました。また、建築会館建設のための株式会社建築会館の取締役会長としても活躍しました。彼の最後の主要な業務は1935年に竣工した横浜正金銀行神戸支店の設計で、その後、建築界での活動から表舞台を退きましたが、1937年には日本建築士会会長を務め、さらに取締役会長を続けました。

人柄と趣味

桜井小太郎は建築だけでなく、能楽にも深い関心を持ち、社団法人能楽会の理事を務めていました。彼はその後、監事に転任し、趣味を通じて文化活動にも貢献しました。1953年11月11日に83歳で亡くなった彼の人生は、建築界のみならず、日本の文化にも多くの影響を与えました。

著作と作品

桜井小太郎は多くの雑誌に建築に関する記事を投稿しました。代表的な著作には「英国中古の家屋」に関するシリーズや、各種建築実例に関するものがあり、時代を超えて建築界における彼の思想やスタイルを後世に伝えるものとなっています。彼の作品や思想は、これからの建築界においても大いに評価され続けることでしょう。

彼の業績と献身は、日本の建築史において重要な位置を占めており、後世の建築家たちにとっても大きな指針となり続けています。

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